もう、20年近く前の出来事だ。
「じゃ、今度の水曜、京葉道路松ヶ丘入り口で。10時ね。」
それは、ひょんな出会いだったと思う。少しの同調と、少しの敵愾心と、ほとんどの無関心が混在する出会いだった。
乗ってるバイクが400SFで、こないだ、高校を卒業した。何よりもバイクが好きだ。それ以外、彼のことは何も知らない。
彼も、オレがどこかの会社員で、水曜が定休で、リトラ刀750に乗っている、と言うことぐらいしか知らない。
彼は、約束通りに、いた。
「どこ行く?」「河口湖から、富士なんてどうっスか?」「いいね」彼は、高速道路線図は頭に入っているようだ。ハナシは早い。カンタンにルートを打ち合わせ、出る。
「先にどうぞ」と、彼は、手で合図する。
はぐれた先の待ち合わせは、談合坂だ。
オレを先行させたことを後悔させてやるぜ。ミラー内でマメツブにして、振り切ってやる。
オレは朝の渋滞が、やっと順調に流れるようになった京葉道路に、フルアクセルで飛び出した。
バックミラーに追いすがる彼が見える。クルマが多く、全開では5速に入らない。
3速120Kから4速160K位。
こめかみに集中力をフルに注ぎ込む!自らの車体を滑り込ませるスキマをサーチしつつ、アクセルを振り絞る。
左側の路側は避難ルートで、一時的に立ち入る以外は、オレ的に、認められない。カッコワルイのだ。車線間の綱渡りで、クルマの列を掻き分けながら、さらにアクセルを振り絞る。
湾岸からは車線幅も大きく広がり、サーチルートに広がりができる。
バックミラーから彼のヘッドライトは見えなくなっていた。よしよし。
車速を80K位にして、彼を、待つ。
ほどなく、彼の車体が脇に並ぶ。
スクラッチ・スクランブル!!
3速落として2速からのフルアクセルで、先行を開始!大きく右に左に車線を変更しながら、さらにアクセルを開ける!
湾岸線から、やっと流れている3号線では、車速は80K~100Kくらいまでオチる。再び彼のヘッドライトは見えなくなっていた。ふん。
高井戸のゲートを出て、再び、彼を、待つ。
2回目のスクラッチ・スクランブル!
中央道に入ると、車線幅は広く走りやすくなるが、それなりの交通量で、リスク管理上、最高速まで届かない。
彼は、排気量差のハンデを、類似ラインをトレースすることで、詰め寄ってくる。
明らかに、スキル向上している。くそっ!
今度は、振り切れないまま、談合坂に到着してしまった。
お互い、神経のネジはバカになるほど締め上げられすぎて、解放が必要だった。
長すぎるインターバルをたっぷり取りながら、色んなハナシをした。
ライドの事、シゴトのこと、家庭のこと、オンナのこと。
共謀共同正犯の連帯感が、お互いを容認しあい、人格の周波数を合わせたようだ。
この日の、その後の出来事は割愛するが、まぁ、いい1日になった。
つい、1時間前は他人だったのだが。
そして、第2戦はFZR1000対ゼファー1100で、完膚なきまでオレがヤられた。それは、以降も続いた。
オレから連絡入れることは、そう、ないのだが、今も付き合いは細く長く続いている。お互いの結婚式に呼び合い、かけがえのない友人の1人だ。
こんな友人が、数人いる。
オレは、バイクとオレの人生に接点があった事実を、誰かに、感謝せずにはいられない。
「じゃ、今度の水曜、京葉道路松ヶ丘入り口で。10時ね。」
それは、ひょんな出会いだったと思う。少しの同調と、少しの敵愾心と、ほとんどの無関心が混在する出会いだった。
乗ってるバイクが400SFで、こないだ、高校を卒業した。何よりもバイクが好きだ。それ以外、彼のことは何も知らない。
彼も、オレがどこかの会社員で、水曜が定休で、リトラ刀750に乗っている、と言うことぐらいしか知らない。
彼は、約束通りに、いた。
「どこ行く?」「河口湖から、富士なんてどうっスか?」「いいね」彼は、高速道路線図は頭に入っているようだ。ハナシは早い。カンタンにルートを打ち合わせ、出る。
「先にどうぞ」と、彼は、手で合図する。
はぐれた先の待ち合わせは、談合坂だ。
オレを先行させたことを後悔させてやるぜ。ミラー内でマメツブにして、振り切ってやる。
オレは朝の渋滞が、やっと順調に流れるようになった京葉道路に、フルアクセルで飛び出した。
バックミラーに追いすがる彼が見える。クルマが多く、全開では5速に入らない。
3速120Kから4速160K位。
こめかみに集中力をフルに注ぎ込む!自らの車体を滑り込ませるスキマをサーチしつつ、アクセルを振り絞る。
左側の路側は避難ルートで、一時的に立ち入る以外は、オレ的に、認められない。カッコワルイのだ。車線間の綱渡りで、クルマの列を掻き分けながら、さらにアクセルを振り絞る。
湾岸からは車線幅も大きく広がり、サーチルートに広がりができる。
バックミラーから彼のヘッドライトは見えなくなっていた。よしよし。
車速を80K位にして、彼を、待つ。
ほどなく、彼の車体が脇に並ぶ。
スクラッチ・スクランブル!!
3速落として2速からのフルアクセルで、先行を開始!大きく右に左に車線を変更しながら、さらにアクセルを開ける!
湾岸線から、やっと流れている3号線では、車速は80K~100Kくらいまでオチる。再び彼のヘッドライトは見えなくなっていた。ふん。
高井戸のゲートを出て、再び、彼を、待つ。
2回目のスクラッチ・スクランブル!
中央道に入ると、車線幅は広く走りやすくなるが、それなりの交通量で、リスク管理上、最高速まで届かない。
彼は、排気量差のハンデを、類似ラインをトレースすることで、詰め寄ってくる。
明らかに、スキル向上している。くそっ!
今度は、振り切れないまま、談合坂に到着してしまった。
お互い、神経のネジはバカになるほど締め上げられすぎて、解放が必要だった。
長すぎるインターバルをたっぷり取りながら、色んなハナシをした。
ライドの事、シゴトのこと、家庭のこと、オンナのこと。
共謀共同正犯の連帯感が、お互いを容認しあい、人格の周波数を合わせたようだ。
この日の、その後の出来事は割愛するが、まぁ、いい1日になった。
つい、1時間前は他人だったのだが。
そして、第2戦はFZR1000対ゼファー1100で、完膚なきまでオレがヤられた。それは、以降も続いた。
オレから連絡入れることは、そう、ないのだが、今も付き合いは細く長く続いている。お互いの結婚式に呼び合い、かけがえのない友人の1人だ。
こんな友人が、数人いる。
オレは、バイクとオレの人生に接点があった事実を、誰かに、感謝せずにはいられない。