詩とファンタジー№13 秋彩号
投稿詩とイラストレーション
責任編集:やなせたかし
鎌倉春秋社
特集「不思議の国のアリス」
今回の投稿詩は深いというか濃い書き方が多く、
私の好きなユーモアやウィット系がありませんでした。
ので、三行詩をちょっと。
野菜炒め
央子
同じ場所
居つづけるから
焦げつくの
人魚姫
吉田さをり
上半身が魚で
下半身が人間だったら
いたたまれない
妙なこだわり
よもぎ猫
たいやきを
背中から食べる人を
なぜか許さず
「足みじかおじさんの旅」というやなせたかしの短編連載があって、
いつも気持ちがしっとりするのだけど、
今回は「幻滅平原挽歌」
平原で一人ヴァイオリンを弾く少年に出会い、その音楽に足みじかおじさんはいたく感激し涙を流す。
そしておじさんは言う。
「芸術とはいったいなんだろう、
はじめに芸術はひとつの感動の叫びであったはずだ。
いつの間にか音楽も絵画も文学も堕落してしまった。
ぼくは今夜のこの月光交響曲を聞いて、ぼくらの犯してきた大きなまちがいにはっきりと気づいた」
最近、なんで音楽活動してるのかな~と思っていたところ。
自分の薄っぺらな感動の発露を他人に聴かせるのは押しつけがましくないか…なんてね。
気の合う仲間と内輪で楽むに留めてはどうだ…とかね。
先日、ジュニアオーケストラの定期演奏会を聴いてきた。
指揮者を紹介した時に聴いて以来だから十数年ぶり。
沢山の大人の中にほんの少しだけ子供が混ざり、ジュニアとは名ばかりになっていた。
大人自身は補助という感覚で、子供自身は大人が弾いてくれるからという感覚で演奏しているのだろうか、何も伝わってくるものがない。
選曲からして「子供を育てる」という本来の目的は失われていて、
大人のやりたい曲を演奏し、上手くいかないところはジュニアオケだからと逃げるそんな印象。
私の所属しているオケに長年在籍された方が先月退団され、ジュニアのトレーナーをされているのでご挨拶が目的で出かけた。
その目的が無かったら、「私の2時間を返して!」と叫びたい。
話しが逸れました。
「詩とファンタジー№13」のイラストを少し。
日々 吉川彩子 絵・網中いづる
ケーキを食べたら 平井深海魚 絵・ひらいたかこ