ピアノアンサンブルの魅力 シリーズ第3回 真実の響き
~18-19世紀のフルートとフォルテピアノ~
ピリオド楽器が導く、レパートリー再発見の旅
4月7日(日)17:00開演
かでるホール(札幌)
フルート:榎田雅祥
フォルテピアノ:上野 真
レクチャー:山本宣夫
J.S.バッハ(ピアノソロ):平均率第1集から前奏曲とフーガ第2番ハ短調BWV847
J.S.バッハ:フルートソナタニ長調BWV1028
ボワモルティエ:フルートソナタ第3番ト長調作品91
F.クープラン:恋のうぐいす
J.J.クヴァンツ:フルートソナタニ長調
ショパン:(ピアノソロ):ソナタ第2番変ロ短調作品35「葬送行進曲つき」
トゥルー:イタリア劇場の思い出
T.ベーム:グランドポロネーズ作品16a
P.タファネル:アンダンテパストラールとスケルツェッティーノ
アンコール
G.フォーレ:ファンタジー
「4月4日はピアノ調律の日」記念事業として主催に日本ピアノ調律師協会北海道支部が入ったレクチャー&コンサート。
上野さんのピアノが聴きたくて、しかも共演がフルーティストとあっては逃せません。
しかも山本氏(ピアノの製造・修理)の鍵盤楽器変革時代のレクチャーつき。
使用鍵盤楽器は強弱が出せる最初の楽器のレプリカ。まだまだ音量が少ないけれど、当時使われていた、これも音量の少ない木製のフルートにぴったり寄り添い、大ホールではない宮廷の響きを彷彿させる。
後半は100年前のベーゼンドルファーという、ウィーンタイプのピアノ。
モーツァルトやベートーヴェン時代の構造でありながら近代条件である鉄のフレームを合わせ持つ楽器で、まろやかな音は同時代のフルートと良く合う。
というわけでフルートは何本も持ち替えて、その音色や音量の違いを聴かせてくれ、また奏者による説明も加わり、とても充実したコンサート。
現代では音色が変わらないように訓練するエチュードをサラうわけだけど、当時は変えて吹くのが当たり前、時代によって奏法が正反対になる面白さ。音程音価音量然り。
そういった知識の有無によって奏でられる音楽と聴く側の感想はまるで違ってくる恐ろしさ。
今回のプログラムはフルート吹きならわかる凄いボリューム。
クープランは前半だけの演奏だったけれど、ピッコロで。なかなか良かったので翌日には真似して楽しんでみる(フフ)
アンコールで出てきたグランドピアノがこれまた貴重。
アインシュタインが初来日の船中で病気になり看病したのが札幌在住の医者。
お礼に訪れた医者宅で丁度購入したばかりのグランドピアノ(ウィーンタイプ)を最初に弾いたのがアインシュタイン。
そのピアノの修理で本州から丁度帰ってきたところをこの会場にちょっと寄ってもらったそう。
だからなのか、アンコールにしては大曲過ぎ。
結局3時間のコンサート! 奏者のエネルギー、集中力に感服。
こっちも耳疲れた~。。。