文学館で定期的にミニコンサートを開いているお陰で、時々懐かしい人が来場してくださる。40数年ぶりにお会いしたその方の依頼で「詩と音楽のひととき」に参加した。以下の詩を預けられ、鍵盤奏者と分けて、イメージする曲をそれぞれ選び演奏。
立原道造/のちのおもひに・・・G.フォーレ/シチリアーノ FL.
萩原正太郎/旅上・・・M.ウィルシュ/オー・シャンゼリゼ KEY.
小熊秀雄/鶯の歌・・・R.シューマン/サンタクロースのおじいさん KEY.
大場豊吉/ノロの火に焼けているのは・・・A.ドヴォルザーク/スラブ舞曲集第2集第2番 FL.
谷川俊太郎/かなしみ・・・S.ラフマニノフ/ヴォカリーズ FL.
木村和恵/午睡(ひるね)・・・R.シューマン/トロイメライ KEY.
P.エリュアール/詩の批判・・・C.ドビュッシー/シリンクス FL.
園太一/小平河岸叙景・・・L.ハーライン/星に願いを FL.&KEY.
S.ウルマン/青春
最後にこれを朗読されたのは80代の男性、しっかりと通るお声で、締めくくりに相応しい感動的な詩。訳は色々あるようで当日読まれたのとは少し違うけれど、ここに残します。
宇野収、作山宗久 訳
青春とは人生のある期間ではなく
心の持ち方をいう。
バラの眼差し、くれないの唇、しなやかな手足ではなく
たくましい意志、ゆたかな想像力、もえる情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。
青春とは臆病さを避ける勇気。
やすきにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する。
ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失うとき、はじめて老いる。
歳月は皮膚にしわを残すが、情熱を失えば心はしぼむ。
苦悩、恐怖、失望により気力は地にはい精神は芥(あくた)になる。
60歳であろうと16歳であろうと人の胸には
驚異にひかれる心、おさな児のような未知への探究心
人生への興味の歓喜がある。
君にも我にも見えざる駅逓が心にある。
人から神から美、希望、喜び、勇気、力の
霊感を受ける限り君は若い。
霊感が絶え、精神が皮肉の雪におおわれ
悲嘆の氷にとざされるとき
20歳だろうと人は老いる。
頭を高く上げ希望の波をとらえるかぎり
80歳であろうと人は青春の中にいる。
これから歩み続ける道を照らしてくれる灯りのよう。
会場は「いぶりたすけ愛ともかな」来場者にはお茶が提供され、手作り感満載のアットホームな雰囲気でした。
ご褒美?に頂いた、主催者手作りのアップルパイ。あかねの甘酸っぱさがほっぺ落ち。