今年音楽監督に就任したワレリー・ゲルギエフ、見たくて聴きたくて行ってきました。
13時からのフリーコンサートも聴きたくて、チケット手配してくれた友人とKitaraのレストラン(札幌パークホテル経営)で12時に待ち合わせ。
初入店、時間どきなのに空いていたものの、窓側と壁側は予約席で占められていた。
今月のスープカレーはシーフード、一日15食限定1350円
Kitaraらしいですね。 味はしょっぱ~い!
と、まもなく5,6人の青年たちとホイリゲに居るような赤ら顔の髪も乱れ疲れたオッサンが向こう隣りの予約席に着いた。リハの終わった人たちかな~。
友人の肩越しに視界に入ってくる疲れきったオッサン…なんか似てる。。。
ゲ、ゲ、ゲ~ ルギエフ!!!
もう友人の話しはうわのそら、私はこの人に会いに来たんだもの。
オーダーはスープカレーと聞こえてきた…同じだわ(フフ)
幸せなランチタイム、後ろ髪を引かれながら、フリーコンサート会場へ。
PMFフリーコンサート 8月1日13:00~14:00小ホール(無料)
アンダーソン:2台のコントラバスのための7つの二重奏曲
モリターリ:ヴァイオリンとコントラバスのための協奏的二重奏曲
パーカッション・アンサンブル
ラヴェル(サフリ・デュオ編曲):「鏡」から道化師の朝の歌 /マリンバ2台
ジヴコヴィッチ:トリオ・パー・ウノ(打楽器三重奏曲)から第一楽章
ライヒ:マレット・カルテット /マリンバ2台、ヴィヴラフォーン2台
最後の曲のヴィヴラフォーン1名を除いて、全員アカデミー生
こんなに雄弁なコントラバスを聴いたことはなかった、ビシッと整いスカッと終わった打楽器三重奏、そして柔らかいマリンバとヴィヴラフォーンそして先生の曲線美!?
これだけでも大満足、でもメインは大ホールでのGALAコンサート 15:00~19:30
開演前のロビーコンサート、弦と木管の9重奏。
司会:天羽明恵
第一部
デュカス:「ラ・ペリ」のファンファーレ/PMFオーケストラ・ブラス、PMFアメリカ・ブラス
オッフェンバック:歌劇「ホフマン物語」からオランピアのアリア
ソプラノ:天羽明恵
指揮:ダニエル・マツカワ
PMFオーケストラ・メンバー
プーランク:六重奏曲/PMFアメリカ ピアノ・南部麻里
ヴォーカル・アカデミーによるオペラアリア
4名ソロ、ピアノ・岩渕慶子
モーツァルト:デイヴェルティメント第17番K.334からメヌエット・アダージョ・ロンド
ヴァイオリン:ライナー・キュッフィル
PMFアメリカオーケストラ・メンバー
ホルスト:PMF賛歌・ジュピター
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
天羽明恵(ソプラノ)
PMFオーケストラ
PMF祝祭合唱団
北大混声合唱団
北大合唱団
第二部 PMFオーケストラ、PMFアメリカ 指揮:ワレリー・ゲルギエフ
ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第二番ハ短調 Op.18
ピアノ・ドミトリーマスレエフ
ショスタコーヴィチ:交響曲第十番ホ短調 Op.93
席は前から3番目、コンサートマスターのすぐ近く。
オケを聴くにはあまりにも前すぎで、木管パートは全く見えない…
席を選べなかったので仕方ないけれど、奏者の指や表情が手に取るように見え、音がダイレクトに、またソリストの緊張もよく伝わってきた。ちょっとテンポが遅れたパートを睨むゲルギエフの目までも見えて、別な楽しみ方が出来た。
オランピアの上下するインターバルの広さ、ピアノならともかく声で!
プーランクの独特な雰囲気とアンサンブルをいかにも楽しんでいるダニエル・マツカワ。
ソロヴォーカルアカデミー生の個性の豊かなこと。
ディヴェルティメントはお馴染みのメヌエット以外も聴けて良かった。実に軽やかで力みのない音、ヴィオラがちょっと遅くなった時、キュッフィルは体でテンポを引っ張っていた。
PMF賛歌ジュピターは毎年休憩時にエントランスホールで天羽明恵さんによる歌唱指導が行われる。
それを肴にして、いえいえ遠目にして、我々はスパークリングワインをいただく(フフ)
本番では目の前のゲルギエフを見ながら、張り切って歌いました。
ウィリアムテル序曲は誰もが知る「スイス軍の行進」の前が「夜明け」「嵐」「静寂」という、序曲だけで物語が出来てしまう作りになっていて、出だしのチェロソロの素晴らしかったこと(中国人のアカデミー生)
そして、いよいよPコン。
ソリストのドミトリー・マスレエフ(27歳)は7月1日のチャイコフスキー国際コンクールで優勝後、初めてのコンサート。曲目は彼に合わせて当初予定のベートーヴェン「皇帝」からラフマニノフへ変更。皇帝を楽しみにしていた人には悪いけれど、私はラフマニノフのほうが聴きたかったので嬉しくてたまらなかった。
ステージに登場したマスレエフは、お顔がちっちゃく体も華奢、一緒に現れたゲルギエフの半分の太さ、背広も余っている感じ。
が、始まるとすぐにこの子はピアノを弾くために生まれてきた人と思わせる何かが。。。
ピアノの細かな音が全部届いてくる、それに対して弦が軽く的確にアンサンブルしている。
終演が近づくに連れ秘めたるパワーを全開、まさに目にも止まらる早さで連打。
立ち上がると初めての笑み、こちらは言葉にならない感動、未だ断片が鳴り響く。
鳴り止まない拍手に応えるマスレエフをステージの隅で見つめるゲルギエフはドヤ顔だった(笑…彼は審査委員長)
アンコールはチャイコフスキー18の小品作品72から「踊りの情景(トレパークへの誘い)」
これからの成長を見る楽しみが増えた。
そして初めて聴いたショスタコ10番。
キーは自身の名前からとったD・Es・C・H、何度も繰り返されるこの音型は何を意味したのだろう。
スターリン死後まもなくの発表とあり、並々ならぬ思いがあったのは確か。
これを聴いて、11番以降がどう変化しているのか聴きたくなった。。。
終了は30分押しの20時、ヤバイ!
中島公園を急ぎ横切り、タクシーに乗りギリギリJRに間に合う。
家に帰り着いたのが22時過ぎ、夕食抜きのペコペコではさすが眠れまい。
カップ麺で満たすが、神経が興奮していて結局寝付けない一夜に。。。
オケの一番前に座っていた弦の子たちはランチの時見かけた青年たちで、ステージに登場したゲルギエフは、ひとっ風呂浴びて?映像で見かける人と同じに変身していた。
難関を突破して、全世界から集まってきた若者たち、今年はアジア系外国人が目立ったように思う。