昨秋、増税前の駆け込みで13年乗った愛車を手放し新車を購入。
気恥ずかしいほどのピッカピカで、誰が見ても新車とわかる。
そうして冬のある日、スーパーの駐車場に停めて戻ると、運転手側取っ手のすぐ上に直角の黒い線が10数センチ、それと、取っ手の下の凹んでいる部分にも縦線が濃く付いている。これは明らかに意図的に、しかも持ち主にわかるようにつけたもの。
妬み?
そうしなければいられなかった環境にいる人、可愛そうに。
と思うことにした。指で擦ってみたけれどとれないので、やっぱり傷。暖かくなったらディーラーから同色のマーカーペンでも買って補修しよう。
それまでは憂う気持ちを気にしない方向へ持っていく。
そして先月下旬のこと。
タイヤ交換のためにガソリンスタンドに寄ると、スタッフの若いお兄ちゃんが「新車ですね!」と言うものだから「傷つけられちゃって」と返す。すると、そのお兄ちゃんはジ~っと見て「直るかもしれない、ちょっとやってみますね」と。
傷なんだから無理でしょうと思いつつ、待つこと約30分。建屋にいた私に「終わりました。直りました~!」「ホントに?なんでなんで!?」
本当に、取っ手周辺の傷は跡形もなく消え、元通りのピッカピカに。説明によると傷をつけようとして使った物の汚れだけが付着したそう。彼の目利きと腕には恐れ入った。感謝感激(アメアラレ)
請求書にはその作業代金が入っていない!
で私は、その足でマイブームのお菓子を買ってUターン、さっきのお兄ちゃんが怪訝そうな顔で近づいてきたので、ウインドウを開け、紙袋ごと胸に押し付けて「ほんの気持ち」と言ってすぐに立ち去る、ちょっとカッコよかったかな(フフ)他のスタッフ達にも一斉に頭を下げられて、まいったまいった。
最近ハマっているお菓子、三星の「イヨマンテ」。六花亭のマルセイバターサンドに酷似しているけれど、クリームに入っているハスカップの酸味が乳製品の濃厚な味わいを中和していて、こちらのほうが気に入っている。冷やして食べるとほっぺ落ち。
あのスタンドで、私はイヨマンテの女(ひと)になっているかも(笑)
イヨマンテ(アイヌ語)=熊を神の国へ送り返す儀式
蛇足:
傷つけようとした人も加減したと捉えれば、ちょっとホッとする。