フルートは音にならないで外側へ出て行く息が結構あるので、演奏中息が足りなくなって苦しいときがある。(ちなみにオーボエはその逆で息が余って苦しくなるらしい)ましてや、容積の小さい私は息の配分やブレス位置をしっかり意識していないと、とんでもないことになる。意識していても、足りなくなって、最後の音が萎んでしまったり、オーケストラの中では、吸ってはダメなところで、実はこそっと吸ったりしている。
フルートメーカーから届いた今回の季刊誌に「循環呼吸の練習方法」が載っていた。
循環呼吸とは息を出している最中に息を吸うこと、つまり音を切れ目無く出し続けることができる。テレビで10数年前だったか、水の入ったコップにストローでブクブクといつまでも息を出し続ける循環呼吸の実演には目を見張った。その時は、頭では理解しても、身体は無理でしょと思った。
ところが今回の練習方法で使う道具は正にそれ。駄目元でトライしてみたら、息を出している最中に鼻から息を吸えている。アレッ、出来てるじゃない一発で。我ながら凄いと思い、調子に乗って直ぐに楽器でトライ。
出来ない!音が貧しくて使えない!
そりゃそうです、直ぐに出来れば誰だって使ってます。
世の中、そんなに甘くはありません。
ブレスは大切、循環呼吸を身につけたとしても、ブレスするべき所でしなければ音楽にはならない。それは勿論吹奏楽器に限ったことではない。