グリーンズ・テイブル

ppのピアニッシモな戯言でござ~い☆

詩とファンタジー№19

2012-08-15 09:56:26 | 

お盆の初日は生憎の雨だったので、お墓参りは昨夕に。
見渡すと大方お花が供えられていて、ウチのご先祖様にはお待たせしてしまいました。

さて、
詩とファンタジー№19夏輝号
投稿詩とイラストレーション
責任編集:やなせたかし
かまくら春秋社
特集:谷村新司40年の軌跡

被災地からの応募作品を一つ。

海化
     八田硝子(宮城県・33歳)
今やきみの体は
非常に細やかな物質と化し
いっぱいに広がっているのだろう

海になったんだ
それは例えなんかでなく
本当に、実に科学的に
きみは海になったんだ

手足を浸してみたならば
繋がっている
まだ
繋がれるよ


故郷を意識する時期に相応しい詩を2編。

朝顔
    転寝
朝まだ早く
散歩から帰ると
一人暮らしの父親から
留守電に
メッセージが
入っていました
慌てて再生すると
育てている朝顔が
今朝は
四つも咲いたよと

すぐに電話をかけました
そんなことぐらいで
かけてくるなよって

実家のベランダで笑う
五つの花を思い浮かべながら


僕はふたりの子供です。
      木崎よしお
子供の頃に父さんが、
ふざけて飲ませたビールの味は、
薬のようにニガかった。
それを美味しいと飲み干すなんて、
大人って変だと思ってた。

父さん、不思議なものですね。
それが今では違うのです。
シゴト仕事で、くたびれるほど、
最初の一杯が美味しいんです。
悲喜こもごもの泡のよう。
言わぬが花を決め込んだ、
そんなあなたを真似て飲みたい。

子供の頃は母さんが、
僕らの為に働きづめで、
幸せなのかと思ってた。
自分のことは後回しして、
母さんは損だと思ってた。

母さん、不思議なものですね。
それが今では違うのです。
ジブン自分と、こだわるほどに、
僕は誰かと遠ざかる。
独りの自由が寒々しい。
捧げることで満ち足りる、
そんなあなたを真似て生きたい。

子供は勝手なものですね。
今頃ようやく気づくのです。
ジブン自分と、こだわるゆえに、
親から遠ざかろうとした。
切り離せない、血や思い。
僕はふたりの子供だから、
父さん母さんと似ながら生きる。


時計 詩・遠藤紀香(福島県郡山市立安積中学校2年) 絵・小池アミイゴ


汀 詩・宮せつ湖 絵・北見隆


老詩人 詩・山口理々子 絵・スドウピウ

楽しいこと、美味しいものは……新しい力にかわってくれる☆

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