新聞の読者欄に、読み返すほどすてきな投稿が載っていたのでここに残します。
投げキッス 市電に笑顔
主婦 清田延子(函館市)
街に買い物に出かける時、よく市電に乗っていく。車内の雰囲気が楽しいし、市からいただいく助成券もうれしい。
ある日、以前から仲良しの「イケメン」の彼と会った。つもる話も時間が足りない。目的地で降りる彼に手を振った後、ふざけて投げキッスをふんわり飛ばした。
ユーモアがわかる彼は、笑顔で投げキッスを両手で受け止め、胸ポケットに入れるしぐさをしてバイバイした。
その時同乗していた数人の外国の方が、この様子をにこにこ笑いながら見ていた。次の電停で降りる時、私に笑顔を向けて小さく手を挙げた。
それに応えて投げキッスを返した。すると、思いがけず皆さんが両手で受け止めてポケットに入れる動作をしたのだった。車内にいた回りの人たちは破顔、大笑いの渦となった。
美しい絵が車体に描かれ、楽しい時間を乗せた市電は函館の街を走り続ける。いろいろな物語を知っているのだろう。
たくさんのハートをぽかぽか浮かばせながら走る電車。
歳を重ねた先がこうでありたいと思わずにはいられない…この方は82歳。
画像はフリルシクラメンミニの蕾、今年もちゃんとお出まし、可愛い姿。