おでんがおいしく感じる季節になると思い出すことがある。
今の住まいに移るまで、我が家にはよく友人が集まっていた。
その日は、ひと足早いクリスマスパーティと忘年会を兼ねて、職場の友人がうちへ集まることになっていた。
買出しを担当してくれたのは、ナッチャンとキクちゃん。
仕事帰りにおいしいおでんを買ってきてくれるという。
あらかじめナッチャンが家から瀬戸物の大きな器を用意し、それにおでん屋さんのおでんをいっぱい詰めてもらうというのだ。
車に乗るときは、助手席に座るキクちゃんがおでんを持ったまま乗り込むのが大変なので、
ナッチャンがまず、おでんの器を持っていることになった。
そして、キクちゃんがシートにおさまったところで、ナッチャンがおでんを渡すという手はずだった。
けれど、荷物は他にもあったので、二人はとりあえず、おでんが詰まった器を車のルーフに置いた。
そして、後部座席に荷物を置いたりしながら、彼女たちはパーティのことなど、おしゃべりをし始めた。
話はだんだん盛り上がっていった。
助手席にキクちゃんが乗り、ナッチャンがハンドルを握り、私の家を目指し車は快調にスタートした。
スピードは4、50kmぐらい、あの角曲がり、この角曲がり、交差点もいくつか右左折した。
約1kmほど走っているその間、職場でのいろんな話題で盛り上がっていた。
そして、カーラジオから流れてきたクリスマスソングで、これから始まるパーティに話が戻った。
二人は顔を見合わせた。
「!」
考えたことは同じだった。
「おでん!」
「車の屋根の上」
「乗せたままじゃん!」
ナッチャンは車をすぐに止めたかったけど、ここで、急ブレーキはおでんが危ない。
そろ~りそろ~りと、道路の左端に車を寄せた。
ドアの開閉もそ~っとして、ルーフを背伸びして見た。
二人は再び顔を見合わせて、同時に「ぷーっ!!」とふき出した。
乗車前と少しも変わらないまま、おでんは屋根の上に鎮座していたそうだ。
寒風の中、揺れる車に耐えながら、それでもルーフでがんばっていたおでんはとてもおいしく、
その晩のパーティの華となった。
今の住まいに移るまで、我が家にはよく友人が集まっていた。
その日は、ひと足早いクリスマスパーティと忘年会を兼ねて、職場の友人がうちへ集まることになっていた。
買出しを担当してくれたのは、ナッチャンとキクちゃん。
仕事帰りにおいしいおでんを買ってきてくれるという。
あらかじめナッチャンが家から瀬戸物の大きな器を用意し、それにおでん屋さんのおでんをいっぱい詰めてもらうというのだ。
車に乗るときは、助手席に座るキクちゃんがおでんを持ったまま乗り込むのが大変なので、
ナッチャンがまず、おでんの器を持っていることになった。
そして、キクちゃんがシートにおさまったところで、ナッチャンがおでんを渡すという手はずだった。
けれど、荷物は他にもあったので、二人はとりあえず、おでんが詰まった器を車のルーフに置いた。
そして、後部座席に荷物を置いたりしながら、彼女たちはパーティのことなど、おしゃべりをし始めた。
話はだんだん盛り上がっていった。
助手席にキクちゃんが乗り、ナッチャンがハンドルを握り、私の家を目指し車は快調にスタートした。
スピードは4、50kmぐらい、あの角曲がり、この角曲がり、交差点もいくつか右左折した。
約1kmほど走っているその間、職場でのいろんな話題で盛り上がっていた。
そして、カーラジオから流れてきたクリスマスソングで、これから始まるパーティに話が戻った。
二人は顔を見合わせた。
「!」
考えたことは同じだった。
「おでん!」
「車の屋根の上」
「乗せたままじゃん!」
ナッチャンは車をすぐに止めたかったけど、ここで、急ブレーキはおでんが危ない。
そろ~りそろ~りと、道路の左端に車を寄せた。
ドアの開閉もそ~っとして、ルーフを背伸びして見た。
二人は再び顔を見合わせて、同時に「ぷーっ!!」とふき出した。
乗車前と少しも変わらないまま、おでんは屋根の上に鎮座していたそうだ。
寒風の中、揺れる車に耐えながら、それでもルーフでがんばっていたおでんはとてもおいしく、
その晩のパーティの華となった。