プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

高橋三千丈

2011-11-03 23:16:22 | 日記
ドラフト1位で入団した期待のルーキー高橋(明大出)が八回から登板した。オープン戦で好調の
近鉄打線を三人ずつでピシャリと抑えた。直球でグイグイ押す強気な投球に、近鉄・西本監督も
「ええ投手やなぁ」と絶賛したほどのデビュー。
ー八回、いきなり力のあるマニエルと対戦したが、「投げるごとに一生懸命で恐ろしいとか
考える余裕もなかった。いつの間にか終わっていた感じです」
ープロとアマの違いは。
「ストライクゾーンが小さいですね。大学時代に比べて、上下、球一つぐらい狭いのじゃないのかな。
コントロールの悪い僕にはつらいです」
ー投球はほとんどまっすぐだったけど。
「やっぱり自信があるのはストレート。でも、プロでは真っ直ぐだけでは通用しないので、カーブ、
シュートの制球力をつけたい。それに、いまはチェンジアップも勉強している。きょうはストライクが
先行したので。80点はつけられそう」
串間キャンプでは、紅白戦にめった打ちにあい「どうしていいかわからない」と高橋は一時地震を失くして
いた。打たれた原因は制球難。そのため、高木時コーチと相談し、ノーワインドアップに変えての試運転だった
が、成果は上々のようだ。
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戸田善紀

2011-11-03 23:05:55 | 日記
三十一人目の打者、野村の打球(左飛)をじっと見つめていた戸田は、大熊がガッチリとつかむと、右手を高く上げて
喜びを表した。もともとが地味で照れやの戸田。出来ることなら、この快記録をからだ全体で、表したかったのだろうが、
戸田にとってはこれが精一杯だった。
それにしても、戸田はいいリズムで投げた。いつも大きなカーブと鋭いスライダーを軸に、投球を組み立てているが、
この日は特に大きなスローカーブが効果的で、その寝ゲルタイミングも実に良かった。速い球を使わずに、緩い球を
多く投げるのには度胸がいる。それを戸田は早いカウントばかりではなく、勝負球に使ったのだから、大胆というほかない。
このためか、南海打線は完全にタイミングを狂わされた。野村監督も途中で「スローボールに力むな」と注意したが、
四回に野村、柏原が中直しした以外は、戸田のスローボールをとらえることが出来なかった。
「こんなことが出来るんかな」が、戸田の第一声。しかし、そこには確かな裏付けがある。今シーズンは負け知らずで、
山口に代わって首脳陣から信頼されている自信と、昨年から南海に強い実績(5勝1敗)があるからだ。
この日の投球も「何回は早い球には強いので落ちる球などの変化球が有効。それには制球に重点をおこう」と考えていた。
そして、その通りの投球をやってのけたあたりに、いまの好調さがうかがえる。
ネット裏の阪急・金田スコアラーも「慎重で制球が抜群だった」と、その計算しつくした投球にうなったほどだ。
「記録?知っていた。でも、苦手の野村さんに必ず打たれると思っていたから、意識はあまりしなかった。それが
よかったのでしょう。」と淡々と話す。だが、プロ入り十四年目にして、初めて達成した記録だけに「忘れられない
一勝」といい「苦しんだこともあるが、努力していたら必ず報われるもんですね」と最後は目を緩めながら、ポツリ
もらした。その言葉に一歩づつはい上がってきた戸田のすべてがにじみ出ていた。
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山村達也

2011-11-03 20:10:55 | 日記
山村達也投手

投球フォーム・・・右オーバースロー

球種・・・ストレート、カーブ、スライダー、フォーク

低めに決まる速球とプロ2年目に習得したフォークが武器。


山村投手・ベストピッチングゲーム

1981年・9月27日・近鉄ー南海後期12回戦「藤井寺球場」観衆3千5百人・試合時間2時間3分

南海100000000・1
近鉄00000030・・3
勝ち・山村、負け・山内孝・・本塁打・ハリス22号
山村投手・投球内容・9回・被安打5・三振2・四死球0・自責1

・近鉄の山村が、プロ入り初完投でうれしい1勝目。それも112球、無四球の立派な内容。「5回ぐらいからリズムがつかめたのでいけると思った。思い切って打者に向かっていったのがよかった。フォークボールは一球だけであとは速球、カーブを主体に投げました」今季ウエスタンリーグで12勝をあげ最多勝、勝率№1の投手二冠を獲得して、ちょっぴり自信を持っての登板。速球はチーム1,2を争っているが、この日は制球を心がけたピッチング。「スピードだけではダメですからね。今季はファームである程度勝ったので、簡単に打たれると恥ずかしいと思っていた。うれしいですね」と話していた。

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山崎武昭

2011-11-03 19:55:35 | 日記
高知商ー法大と花やかなコースを歩んできた。高校ではしばしば甲子園のヒーローとなり、
大学では神宮の花形として話題をまいた。果たしてプロでもペナント・レースの花道で大向かうの
かっさいを浴びるスターになれるかどうか。「大丈夫だ」と法大・田丸監督はタイコ判を押す。
「体力的にも技術的にも十分な力を持っている」と愛弟子山崎を推称する。1㍍77、74㌔、
恵まれた体力と整った左投げフォームからの投球は確かに味があった。
ストレートは内、外角をよくつくし、カーブも角度がよい。その直球球をさらに効果づける、シンカー
もよく決まった。直球か、と思っているとベース板を近くでストンと落ちる。これには他のチームの
打者も前くらって昨年春は山崎にさんざん悩まされた。球の握り方、投げ方は直球と同じ。
ただ日本の指をぬい目の糸にかけないので球の回転が直球よりおそく、なっくるのような原理で
球速をころすというわけだ。優勝投手二回。田丸監督が山崎に信頼を寄せるのは、そんな実績ばかりでは
ない。研究心盛んな人間性にも魅力を感じるからだろう。とにかくやまさきの沈む球はプロではおもしろい。
ただし、それが好成績に結びつくかどうかは、直球いかんである。「卒業のころ、うまみだけで好投できた。
それが身についてプロでは投手失格の原因になった。これは先輩の山崎(巨人)の話で、「プロではスピード
あっての変化球」を力説する。プロの水は甘くない。二十勝投手になれそうな素質のある山崎だが、この経験談を
無視してはならぬ。技巧に走らず、一段とスピードを増すためにフォーム改良に工夫、努力をすること。
プロの花道では大見えは切れないだろう。
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鵜沢達雄

2011-11-03 19:54:13 | 日記
鵜沢達雄投手

・投球フォーム・・・速球主体の本格派

球種・・・入団当時はエース・平松と変わらないほどの威力のあるストレートを投げていた。変化球は落差の大きなカーブ
、シュート。
持ち味の速球を投げるときは球のリリース・ポイントがバラバラでそのため制球が安定せず伸び悩む原因となった。球種が少ないのも
致命的だった。

1972年の資料
・「初といっても、これは大きいよ」別当監督、秋山コーチが口をそろえるのは鵜沢の初勝利。4月13日の広島戦で救援勝利だが「期待どおりというか、とにかく、めっぽう球が速かった。セリーグで№1だね」と別当監督。広島・根本監督も「久しぶりに小気味のいいピッチングを見た」とカブトを脱ぐ以上に、ホメ上げたものだ。この鵜沢投手は二年生で、キャンプから成長株№1にあげられていたが、度胸も満点。18日の巨人戦に敗戦処理として登板したときは、さすがにあがった?と思えるようなケン制の大悪送球をやったが「違いますよ。押さえ込もうと力み過ぎただけです。こんど投げるときは絶対抑えます」と言い切るほど。長嶋が「へえー、すごいねえ」と舌を巻いたのは、背中から通ってくるような切れのいい大きなカーブだったがストレートとカーブだけで充分。あとは何もいらないと伊藤捕手も頼もしい新鋭に目を細めていた。

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望月卓也

2011-11-03 19:49:44 | 日記
望月卓也、二十一歳。広島・竹原高出、四十九年のドラフト二位。
182㌢、69㌔、右投げ。ほとんど名の売れていない望月が
巨人相手に初勝利をあげた。広島は一回の守りで、エースの池谷が
OHに連続本塁打され、早々と3点を失った。二回からは望月がマウンドへ。
古葉監督にすれば「ほんの中継ぎ」のつもり。ところが、望月は好調だ。
二、三回を三者凡退。五回二死二塁で打者王という場面でも、0-2から
内角をついて一ゴロに仕留めた。その投法たるや、一風変わっている。
ノーワインドアップで動作を起こし、走者がいないときは左足をあげたところで
いったん動きをとめる。そして、やおら横手からシュート、カーブの変化球を
投げる。だから打者はタイミングを合わすのが難しい。王などはじめは一本足を
あげたりさげたり。結局三打席凡退。「きょうはシュートがよかった。水沼さんの
いうとおり投げました」と望月。両手でウイニングボールを握り締めていた。
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井手峻

2011-11-03 19:36:53 | 日記
秋のリーグ戦では、あまり持味が見られなかった。彼は投球に欲を持ちすぎたからである。
力で押切る投手ではない。球に変化を与えて巧みにコーナーをうまくコントロールを
持ちながら、一人で勝負しようとしたところに欠陥があった。
井手の身上は打たせてとること。頭脳的な投法をして彼の味が出る。
変化球は大方マスターしている。注文をつけるならいま一つ直球にスピードを持たせて、
シュートの切れをよくすることであろう。その冷静な投球はリリーフ型向き。
中日投手陣のプラスになることは間違えない。
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高英傑

2011-11-03 19:31:20 | 日記
台湾出身、1980年に練習生として入団。プロでの通算勝利は3勝。後に野手に転向。

投球フォーム・・・来日当初は150キロを投げる左腕と噂されたが制球力を重視するためにノーワインドアップにフォームを改造する。しかし、持ち味の荒々しさがなくなってしまい魅力が半減した。


球種・・・ストレート、カーブ、シュート、チェンジアップ、フォーク


1980年・10月5日・近鉄ー南海後期12回戦「日生球場」観衆2万5千・試合時間・3時間4分
南海031210220・11
近鉄100000100・2
勝ち・高・・負け・村田
本塁打・佐々木19号、香川7,8号、伊藤5号、定岡13号、栗橋27号、門田41号
高投手・投球内容・9回・6安打・三振5・四死球3・自責2

この日の近鉄戦、高の一軍登板は8月24日以来のことだった。「近鉄打線はストレートに強い。だから変化球中心のピッチングをしょう」香川の好リードもあって、高はカーブ、フォーク、シュートを織りまぜて近鉄打線をほんろう。味方打線の大量援護を受けプロ初完投の2勝目。前日まで日ハムと同率首位に並んでいた近鉄を失意のどん底に突き落とした。


台湾から南海に入団。剛球左腕投手として注目される高英傑が、二試合目の登板でプロ初勝利を挙げた。
五回一死から名取をリリーフして抑え、六回以降に四点を失ったが、バックの援護に守られて投げ切った。
弱体化に泣く南海投手陣にとって、明るい材料だ。広瀬監督も「一つ勝って落ち着くだろう。あいつに期待
しているよ。次は先発で行く」と上機嫌だった。
一死二、三塁でマウンドへ。どんな気持ち?
「点差があったので心配ない。ただドカベン(香川)目がけて投げた」
いきなりマニエルと栗橋を速球で、いずれも見送りの三球三振に、仕留めた。気持ちが良かった、と高はにっこり。
初勝利の感想は。「疲れた。頭の中、からっぽ。でも、うれしいです。」
だれが一番喜んでくれる?「お母さんね。電話しなくても台湾の新聞、出るよ。それでわかる」
フォークボールも投げたね。「二球だけ。ワンバウンドね。」母にもらったネックレスを手にやり、
ほっとした表情の高投手。かたことの日本語がはずんでいた。
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伊藤久敏

2011-11-03 15:41:46 | 日記
天性のドロップに威力
伊藤久敏

久留米商時代から注目されていた。大学では、それほど進歩したとは思えないが、
天性のドロップはかなりの威力を持っている。左腕投手に人材の少ないプロ野球
にとって、彼の無理の無いフォームと、その直曲球は一応注目されよう。
直球はやや単調なきらいはあるが案外ノビが見られ、その球が外角低めにきまれば
かなりの成績をあげるだろう。問題は力の配分である。体力的に見て長いペナントレースを
どう乗り切るか。左腕投手としてまとまりすぎた感じで、いま一つ荒さがほしい。

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