1956年
試合は荒砂、石川(緑)の好投ではじまったが荒砂は最後までペースをくずさず石川(緑)は後半疲れ、阪急はこれにつけこみ勝利を握った。阪急は六回無死岡田が遊撃左を抜く安打、荒砂四球の一、二塁のチャンスに、バントと片山のスクイズで手がたく先行、つづく早水が一塁線に安打して二点を加えた。石川(緑)は横手から山なりのカーブを外角一ぱいにきめ、内角へのシュートもよくコントロールされ、七回を終って投球数は60球、前半は三回市原に安打されただけだったが、後半に入り少し疲れ気味、球威が落ちたところを打たれた。八回にも荒砂以下に三連安打され、一点を許した。一方の荒砂はカーブの切れも鋭く、直球もスピードがあり低目にきまった。このカーブで有利なカウントをとり、直球、シュートで勝負し、八回までに許した走者は二回丹羽の遊ゴロ失と八回三振食い逃げだけだった。九回一死後あと一人でノーヒット・ノーランの記録が生まれるところまでこぎつけたが、石川の代打金子になんでもない二ゴロを打たれ、これが前進した二塁手の前でイレギュラー・バウンドして頭上を抜かれるという不運があって目の前の記録を一瞬にしてつぶされてしまったのは気の毒であった。
試合は荒砂、石川(緑)の好投ではじまったが荒砂は最後までペースをくずさず石川(緑)は後半疲れ、阪急はこれにつけこみ勝利を握った。阪急は六回無死岡田が遊撃左を抜く安打、荒砂四球の一、二塁のチャンスに、バントと片山のスクイズで手がたく先行、つづく早水が一塁線に安打して二点を加えた。石川(緑)は横手から山なりのカーブを外角一ぱいにきめ、内角へのシュートもよくコントロールされ、七回を終って投球数は60球、前半は三回市原に安打されただけだったが、後半に入り少し疲れ気味、球威が落ちたところを打たれた。八回にも荒砂以下に三連安打され、一点を許した。一方の荒砂はカーブの切れも鋭く、直球もスピードがあり低目にきまった。このカーブで有利なカウントをとり、直球、シュートで勝負し、八回までに許した走者は二回丹羽の遊ゴロ失と八回三振食い逃げだけだった。九回一死後あと一人でノーヒット・ノーランの記録が生まれるところまでこぎつけたが、石川の代打金子になんでもない二ゴロを打たれ、これが前進した二塁手の前でイレギュラー・バウンドして頭上を抜かれるという不運があって目の前の記録を一瞬にしてつぶされてしまったのは気の毒であった。