1981年
本命は北越商。春の県大会で順当に優勝、北信越大会では一回戦で敗れたが、東海大三(長野)と延長十四回まで1-1と互角の勝負をした。古川投手は全国中学大会出場の経験もある左腕で、スピードはさほどないが、シュートも覚え、落差の大きなカーブを有効に使って少ない失点に抑えている。ただし、打線がパワー不足で、他校がつけ込むスキは十分にありそうだ。
1983年
「アウトコースの球を引っ掛けてくれたので楽だった」(社会人になって)完封は初めてです。初のマウンドでシャットアウトできるなんて最高です」名古屋市の打線を2安打、2与四球で完封した川崎市の古川投手はでっかい初仕事に手放しの喜びよう。新潟県・北越商を出て2年目。まだ19歳の若武者だが、激戦の神奈川県予選で最優秀投手に選ばれて以来すっかり自信をつけた。「5割はカーブのピッチャーといわれています」と本人が言うように、タテに割れるカーブが武器だが、この日はいつもよりストレートを多く投げたという。「先発は一昨日に言われました。三番の内藤だけは注意しろ」と予備知識を与えられたというが、一回の立ち上がり二死から内藤に中前打を内野安打を許すだけの好投。「一試合だけではまわりが満足しません。この次もやらなければ」と二回戦にも意欲を見せていた。