映画「大河の一滴」

2001年09月02日 | 映画

この映画を観るかどうか、私は悩みました。
私は、五木寛之の人生観に共感している人間です。
彼の小説は、初期の頃から読んでいます。
エッセイも何冊か読んでいる。
「大河の一滴」も読んでます。
3年前、山梨に単身赴任しているときに読みました。
この本は、
そのとき勤めていた会社のリストラに腹が立ち、
退職したときに山梨で一緒に仕事をしていた女性に
あげてしまった。(モッテイレバヨカッタ。マタ、ヨンデミタイ)
この女性は、美しくていい娘だった。
オフィスでは課長と部下という立場で、
言葉少なに資材部の仕事をしていたのですが、
部品の置いてある外の倉庫の前では、
(テーブルとイスが置いてあった)
煙草を吸いながらいろいろ話した。
おもに、彼女の恋の相談だった。
彼女はそのとき恋人がいて、彼との恋に悩んでいた。
リストラのとき彼女も辞めて、
現在、看護学校に行って、看護婦を目指している。
あッ、こんなことは、今日の九想話に関係ないですね。
話を、五木寛之に戻します。

さっきも聴いていたのですが、
TBSラジオの日曜11時半から、
「五木寛之の夜」という番組をやっている。
これはそうとうな長寿番組で、
TBS系列のラジオ局で全国にも放送されていると思う。
この放送で五木寛之を聴いていると、
なんか鼻につくんです。
話すことは納得がいくのですが(いかないときもある)、
なんか〝かっこよくて〟ダメなんです。
私は、彼がそばにいたら、
絶対友だちにはならないんじゃないかと思う。
それでも、毎週このラジオを聴いている。
五木の本を読む。
やっぱり彼が好きなんですね。

映画のシナリオは、新藤兼人が書いている。
先週の日曜日の「いつもても波瀾万丈」(日本テレビ)は、
新藤兼人だった。
乙羽信子との恋の話はよかった。
充実した仕事をしてきた彼がいっていた。
「誰もいない夜、しみじみ孤独だなと思う」
というようなことを。
私にもいつかそういうときがくるのだろう。
その孤独の中で、あの歳でもシナリオを書いている。
どんなものかな、という興味もあって映画を観た。
五木のエッセイの要点を、
うまくストーリーにしているなと思った。
全体として、物足りないところがあったが、
私は泣きました。
いえ、ストーリーに泣いたのではなく、
ずーっと、友人Hの人生を考えてです。
Hの〝大河の一滴すぎる〟人生を想って泣きました。

あのロシア人のトランペットはよかった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする