NHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたのか 第3集 大地に種をまいたとき」を観た。
1万年以上前、人間はアフリカの地で小麦を栽培するようになった。
多くは狩猟民族だった人間から農耕民族が生まれた。
その頃の小麦は、収穫期になるとまるでタンポポの綿毛のように穂から実が飛んで行くものだった。
そういうふうに小麦は、自分の子孫を増やしていかなければならなかった。
そんな小麦なので収穫量は多くはなかった。
それで、農作物のことや縄張りのことで、隣のグループとのいざこざがしょっちゅうあったらしい。
狩猟民族より農耕民族のほうが穏やかで争いなどしないと思っていたが(私も)、そんなことはないらしい。
現在、アメリカの大学教授がパプアニューギニアのある村の研究をしていた。
そのあたりの村ではそれぞれ畑に農作物を栽培して暮らしている。
畑といってもいくつもの作物を栽培しているもので、私から見ると畑とは思えなかった。
サツマイモと葉物野菜などをデコボコの土地で栽培していた。
その一方、男たちは武器(弓・槍など)の手入れを日常的にしていた。
作物が不作になると争いが起きて村どうしで闘うときがあり、そのときのための備えのようです。
アメリカの大学教授は、武器を持って行う儀式の前と後での部族の男性の身体の中にある
テストステロンという男性ホルモンが増えるという実験結果を得た。
アフリカの遺跡で、高い柱のあるところが発見された。
その柱のある場所によって、書かれている絵が違う。
同じ絵のところは、同じ部族が集まっていたと考えられた。
常に争いを覚悟していた村同士だが、その遺跡は、互いの村の親睦をはかるためのもののようだった。
その場所でコミュニケーションを活発にして理解を深め、なべく争わないようにしたようです。
小麦に酵母を入れ1週間ほどしてビールのようなものを作り、そこでパーティーを開いて飲んだ。
パプアニューギニアの村でもたまに飼育していた豚を料理して、近隣の村人を招待してご馳走していた。
闘う武器と意志は大切にしながら、隣の村との友好は深めていく。
そういうときにオキシトシンという“信頼”のホルモンが増えるという。
現在のパプアニューギニアを通して、太古の人間のいとなみを推理していた。
小麦が突然変異で現在のような栽培種になった。
小麦も人間が栽培してくれるので、自分で飛んで行かなくてもよくなった。
人間というものに一番興味のある私にとって、面白い番組だった。
この九想話は、テレビを私が観て感じたままを書きました。
間違ったことを書いているかも知れません。
そのときは指摘して下さい。