岩波新書、山下恒夫著「大黒屋光太夫」読了。面白かった。史実と、著者のフィクションを織り交ぜながら出帆から帰国のその後まで、数奇の出来事が綴られている。光太夫は根っからの船乗りと思っていたが、28歳まで江戸の米屋で奉公、地元に帰って賄い(帳簿付け)で船に乗り込むことに、勘定の才能を発揮し30歳で雇われ船頭。船頭として集荷、荷さばきと船員のマネジメントで、その才能を十分に発揮していたようだ。32歳の冬、船長27mの千石船「神昌丸」で出帆、遭難、8か月漂流する。
江戸で働いていただけあって、知識才覚も備えた偉丈夫である。雇われ船頭であるが、漂着後、降ろした積荷の中に大垣藩奥方の雛人形一式や錦の衣装、朱塗りの台、什器があり、ロシア人は裕福な商人と光太夫を勘違いしたようで、その後の対応を決めたという。
帝都ペテルブルグの遊郭では逆に金貨銀貨のプレゼントもあった由、たいしたものだと感心、感心。
江戸で働いていただけあって、知識才覚も備えた偉丈夫である。雇われ船頭であるが、漂着後、降ろした積荷の中に大垣藩奥方の雛人形一式や錦の衣装、朱塗りの台、什器があり、ロシア人は裕福な商人と光太夫を勘違いしたようで、その後の対応を決めたという。
帝都ペテルブルグの遊郭では逆に金貨銀貨のプレゼントもあった由、たいしたものだと感心、感心。