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自転車のサドルの上で・・・

サドルの上での気ままなひとりごと

「外でご飯を食べる文化」考

2010-09-12 | Weblog
 今日は午後から仕事。出かける用事もあって、自転車はお休みとする。
 さて表題。ペダルさん(「海越え山越え・・・」)のこの表題のブログ記事にちゃんと確認もしないでコメントしたので、もう一度本など読んで確かめて見た。白幡洋三郎と恩師の飯沼次郎氏の共著「日本文化としての公園(八坂書房)」10年以上前に図書館で読んだので、再度借りて読む。
 ペダルさんの疑問はなぜ日本では欧米のようなオープンカフェ(カフェなどが道に張り出して飲食提供している)がないのか、ということ。ちょっと長くなるが。
 
 白幡氏は公園のあり方を論じているのであって、オープンカフェについて述べているわけではない。が、考えるに根元が同じような気がした。彼の考えは、
(1)日本における公園は明治6年太政官布達で上からの指示により成立した。欧米の公園は行政上の制度が出発点ではない。
(2)明治の役人は、都市における(装飾)装置としての公園に目を奪われ、生活での公園の使い方に目が行かなかった。
(3)日本では江戸時代、神社仏閣に人が集まり、庭園を眺め、飲食をする(江戸時代の公園)という欧米にない「公園」の楽しみ方をしていた。日本人の生活様式とは別のものを官製「公園」は作っているのではないか。
 ということらしい。

 オープンカフェについてはネットで調べた。(「公共空間における賑わいの創出」阪大澤木昌典教授)
 澤木氏は日本における公共空間としての道路使用について、
(1)道路法第32条「道路を使用する場合は道路管理者の許可を受けなければならない」
(2)道路交通法第76条「何人も交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路においてはならない」とある。
 行政のコントロールが強すぎる、と述べてます。
 明治維新で旧来の慣行を廃し、列強に追いつくべく西洋の形を求めたのだが、それが今日まで続いているのか・・・?さてはて。
 
 また、パリでは、歩道復員1.6m以下では許可しない。2.4m以上は1/3までは許可する。例えば2平方mの屋台であれば月400円程度を納める。カフェやレストラン、ブティックなど業種、面積等で細かく規定されている。なお、夜間は自己敷地内に撤去の条件、ということだ。
 原則的なことでは、日仏の法律の書きぶりにそう違いはないのではないだろうか。しかし、法の運用が異なる。人々の暮らしぶりを配慮するか、そうでないかの違いかもしれない。
 白幡氏によれば、江戸時代から続く寺社などの「公園」内にある掛茶屋や料理店などは西洋の公園になく、下賤なものとして排除したかった、らしい。八坂神社周辺の円山公園(明治に公園と八坂神社から分離・管理された)には今も料理店などが残る。
 夏の鴨川納涼床は毎年河川管理者(府)の許可を得て営業される。伝統的文化、ということで特別に許可されているらしいが、こういうのも「外で食べる」「日本人の生活様式(文化)」の表れだろう。

 いささかまとまりないが、「日本文化としての」「外でご飯」とは?なんだろう。
 よくわからんが、ひとつ言えるとするならば、文化の発展を妨げるのは閉塞感を増やすだけ、ということだろうと思う。
 
 
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