自転車のサドルの上で・・・

サドルの上での気ままなひとりごと

春画考

2016-04-05 | Weblog
日曜の春画は圧巻であった。一度にあんな大量の春画は初めて。見方も大きく変わった。
これまでは、秘められたもの、という気持であったが、そうではない。秘められたもの、となったのは明治維新の政策によるのであって、江戸時代はそうではない(禁制の時期もあったりしたが長続きしていない)。
春画は嫁入り前の性教育の絵であり、「片手で楽しむ」(もう片手は自身の…)ものであり、笑い絵(快感追及)である、とのことである。また、将兵の護身のお守りのようであったし、何より第一の嫁入り道具であったという。
幕末に日本を訪れた西洋人に、家の宝を案内した最後に、当主夫婦が貴重なものとして、うやうやしく見せたものが春画であり、その家の婦人みずから解説して見せたことに驚愕した事が記録に残っているという。
江戸時代の風俗を近代化の波のもとに地下へ追いやったのは政府であり、女性を男に隷属させたのも、明治政府であった、ということ。
儒教の国から来た朝鮮通信使も江戸時代の開けっ広げな性風俗に驚いたらしい。

堺市ではコンビニの成人向け雑誌にカバーを掛けるようにするらしい、とのニュース。今の成人向け雑誌の程度が良いとはとても思えないが、それでもこの考えは逆行しているね。
この春画展を見て思ったことは、全国都道府県の公立美術館で大々的に開催すべきではないか、ということ。
下手な少子化対策より、よっぽど効果的。春画展に大勢見に来るのも、春画が性を肯定的に取り扱っているからだと思う。
高2の時に読んだ芥川の侏儒の言葉「恋愛は性欲の詩的表現」は、まことその通りと当時から思っているし、命はエロスから誕生しているので、その「詩的表現」で精神の豊かさを図っているに過ぎないとも思う。などなど勉強になりました。
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