そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

史上稀にみる・・・

2006-01-03 14:27:44 | Sports
亜大、初の総合優勝…箱根駅伝 (読売新聞) - goo ニュース

大混戦だった。
おかげで他の用事を済ませつつ、今日も最後まで観てしまったよ。

駒大は復路に有力選手を残してる・・・って言うもんだから、往路1位の時点でさっさと首位奪取して独走するのかと思ってたら・・・
6・7区が伸びず、逆に順天堂大が独走ムード。
かと思えば順大8区のランナーが脱水症状でフラフラに。
逆転した駒大が今度こそ独走かと思えば、まさかの亜大が。
観てる方にすれば面白いレースだった。

順大の彼は救急車で運ばれたらしいが、大丈夫だったんだろうか。
実況も解説者も「個人競技だったらとっくに止めている状況」と言っていたが、まさにその通り。
万一何かあったら誰が責任取るんだ・・・とか考えてしまうが、走ってる本人にしてみれば「死んだ方がマシ」くらいの思いなんだろうから、なかなか難しいところ。

繰り上げスタートも無かったし、10位のシード争いあたりでも1位とは6~7分差くらいだったし、戦力が均衡化しているのは確か。
有力校に強い選手が集まる傾向が弱まったということなのか。
ケニア人留学生を除けば、ケタ外れに速い選手というのが昔に比べていなくなったような気もする。
日本の男子長距離界の長期低迷とも関係あるのかな。
コメント (4)
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「関東大震災」 吉村 昭

2006-01-03 14:12:42 | Books
関東大震災

文藝春秋

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吉村昭が関東大震災を描いたルポルタージュ。

構成は大きく前後半に別れる。
前半は、地震による損害を克明に描く。
関東大震災では地震による圧死などの直接の被害者よりも、地震に続いて発生した火災による死傷者の方が圧倒的に多かったというのはよく知られた話。
この本でも、本所・浅草などの下町地域での猛火による被害状況が、数少ない生存者の証言を交えながら描かれる。
特に3万8千人もの死者が出たという、本所・陸軍被服廠跡(現・横網公園/東京都慰霊堂)における業火被害の描写はまさに地獄の様。
自分には認識が無かったのだが、この甚大な被害をもたらした大きな原因の一つは火災により勢いを増した大旋風だった。
猛烈な上昇気流による旋風が、折からの前線通過の影響も受けて異常な規模となって避難した人々を襲ったという。
人々が、大旋風に巻き上げられ至る所に叩きつけられ、猛火に焼き尽くされる様子は筆舌に尽くしがたく、もし自分の家族や友人のこんな姿を見ることになったら・・・と恐ろしい想像をしてしまう。

後半は、震災避難者の間に発生した異常な流言、そして震災の混乱に乗じて発生した大杉栄事件について語られる。
朝鮮人襲来の流言により発生した残酷な事件の数々について繰り返し繰り返し事実が書き込まれているが、その信じ難い愚かしさにはウンザリして読むのを止めたくなるほど。
集団心理の恐ろしさと言ってしまえばそれで終りになってしまうが、やはり情報不足というのも大きな一因となっていたんだと思う。
非常時はもちろん通常から正確で理性的な情報を行き渡らせることが社会にとってすごく重要なことなんだと改めて思った。

阪神大震災や中越地震の被害をニュース映像で目の当たりにし、去年は首都圏でも大き目の地震があったりした。
一方でマンションやホテルの耐震強度偽装問題で大騒ぎになった。
それでも、いざ大地震が起こるまで、真剣になって備えを行なわないのが人の常。
関東大震災の教訓から学ぶところは大きく、一読の価値はある。

関東大震災でも、地盤の強固な武蔵野台地の方面での被害はかなり少なかったという。
取りあえずは、地盤だとか、避難や消防の通行を妨げる狭い道に面していないことだとか、住む場所って重要だなと思いを新たにした。
もちろん自宅にいるときに地震が起こるとは限らないのだけれど・・・
コメント (1)
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「岬」 中上健次

2006-01-03 14:10:36 | Books
年末に読んだ本の感想を。
まずは中上健次の短編集「岬」(文春文庫)。

中上健次の小説は、かなり以前に「十九歳の地図」を読んで以来。
当時はまだ若かったからか、強烈なコンプレックスが滲み出てくるかのような世界が肌に合わなかった記憶がある。
今回は自分も歳をとったからか、このドロドロした中上ワールドを正面から受け止めることができた気がする。

表題作の「岬」は芥川賞受賞作。
小説に描かれる世界を漢字一文字で表わすなら「地」そして「血」か。
海と山に囲まれた土着的な南紀の町では、血も濃く渦を巻き、その濃い血は次の生命へと受け継がれていく。
人間は親を選ぶことができない。
受け継いだ血はしがらみとなり、誘われるままに運命を辿っていくしかない。
その強烈なイメージがびんびん伝わってくる。

「火宅」も「岬」と設定を同じくする作品。
この他、都会での底辺生活の匂いを想起させる「黄金比の朝」、「性」と「命」の関係を生々しく捉えた「浄徳寺ツアー」の4編。
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