そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「武器よさらば」 アーネスト・ヘミングウェイ

2008-07-14 23:16:26 | Books
武器よさらば (新潮文庫)
アーネスト ヘミングウェイ
新潮社

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ヘミングウェイの初期の長編。
2006年に出た新訳で読みました。

文庫で500頁を超える大作。
それでも短いと感じた。
特に、主人公フレデリックと恋人キャサリンのロマンスは、説得力を持たされるまでの掘り下げられた描写が不足しているように思える。
が、それはこの小説の主眼が大河ロマンスを描くことに実は置かれていなかったからかもしれない。
この小説全編を通じて流れるのは、寄る辺なき虚無感。
多くの生命が身の回りで失われていく戦争、しかも遠くイタリアの戦地に紛れ込んだ米国人将校と英国人看護師という異国人であるがゆえに強く抱く虚無感。
この虚無感というフィルターを通してみれば彼らのロマンスにまた違った感慨が生まれるような気がします。
突き放したラストも含めて。

特に読み応えがあるのは、やはり主人公が前線から命からがら退却、そして逃亡するシークェンス。
そして恋人とともに手漕ぎボートでスイスに脱出するくだり。
ボートでの脱出シーンは、後の「老人と海」にも通ずる臨場感が在りました。
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いくらなんでも

2008-07-14 22:04:49 | Politcs
「竹島」明記の解説書を公表、韓国大使は一時帰国へ(読売新聞) - goo ニュース

中学生に「竹島は日本固有の領土だ」と覚えさせたところで、実際には韓国に武力占有されているわけで、それよりも、竹島の領有をめぐっては日韓間に争いがあること、日韓それぞれの主張の根拠、歴史的背景などを一通り客観的に学ばせるような教え方をしたほうがよいのではないか、と思っていたので、結果的に新学習指導要領の方針転換は望ましい方向に行ってるのではないかと思います。
ところが韓国政府はそれでもけしからんと言う。
けしからんと言われたところで、日本政府は竹島の領有権を公式に主張しており、日韓両国に争いが存在するのは明白な事実なわけで、その事実すら否定して教えることも許さないというのはいくらなんでもと思います。
一言「内政干渉だ」と言い放ってやればよいように思うんですが、そういうわけにはいかんのでしょうか。

それにしても、金剛山での北朝鮮での民間人銃殺事件騒動の真っただ中、韓国で竹島問題が実際どれくらいの騒がれ方をしてるのか、その辺のバランスは気になるところです。
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