都教委、小学生に“自尊教育” 中高生の半数「自分に否定的」(産経新聞) - goo ニュース
日本の子供たちは自分が嫌い-。東京都教育委員会が公立の小中学生、都立高校生を対象に「自尊感情」について調査したところ、中高生の5~6割が「自分」を好意的にとらえていないことが10日、分かった。日本の子供たちの自尊感情の低さはこれまでも指摘されてきたが、自治体レベルで大規模な調査が行われたのは初めて。都教委は現状を深刻に受け止め、「自分の存在や価値を積極的に肯定できる子供を育てる」とし、4月から小学校で試験的に“自尊教育”を実施する。
我が身を振り返ってみても、多感な思春期には自分自身の嫌なところばかりが気になってしまい、「どうして自分はこんな人間なんだろう」と思い悩む、というのが普通なんじゃないでしょうか。
だから、「中高生の5~6割が「自分」を好意的にとらえていない」と言われても、そんなの当然なんじゃないの、という気がします。
少しずついろんな経験を重ねながら成長していく中で、世の中のことや他人のことを理解し、自分を相対化できるようになっていく過程で、自分自身と折り合いをつけていくことができるようになっていくものなんじゃないかと思います。
そう考えると、記事中にある国際調査で、自分を肯定的に捉える中学生が、アメリカでは51.8%、中国では49.3%もいる、ということが逆に驚きです。
中学生のメンタリティなんて、万国共通なような気もするんですがね。
むしろあれかな、「私は他の人々に劣らず価値のある人間である」と問われたときの「答え方」に文化の違いが出てるんじゃないかな。
いずれにしても、大半の人は、上に書いたように成長の過程でいい意味で開き直りができるようになって「自分嫌い」を克服していくのだと思いますが、中にはうまく折り合いが付けられずに「自分嫌い」なままで大人になってしまう人も少なからずいるわけで、それが例えば犯罪だとか自殺だとか不幸な結果を招くこともあるのだとは思います。
だとすると、国際比較に基づいて自尊教育を進めることよりも、中学生時代に「自分嫌い」だった人の経年調査を実施して、それを克服できる人/できない人にどのような要因が影響しているのかを分析するような取り組みを行うことのほうが重要なことのような気もします。