ホーキング、宇宙と人間を語る | |
スティーヴン・ホーキング、レナード・ムロディナウ | |
エクスナレッジ |
初ホーキング。
最初の2、3章は、文系頭にも案外すんなり入ってくる分かりやすさで、量子論に話が及んでも理屈は分からないまでもイメージはなんとなくできたのですが、ファインマンやアインシュタインが出てきたあたりで怪しくなってきて、M理論やひも理論などと言われるともうちんぷんかんぷん。
後半は、ほぼ字面を追っているだけになって、結局のところ書いてあることの1割くらいしか理解できなかったな…という感じ。
まあでも、ホーキング博士の云わんとしていることも、何となーくですがぼんやりとは伝わってくるんですよね。
特に、「モデル依存実在論」って考え方は面白いな、と思いました。
あるモデルが観測結果をよく説明するのであれば、そのモデルの真偽は問題にはならない、という考え方。
いったい「実在」とは何であるのか、根本を揺さぶられます。
なんと哲学的。
宇宙論においても「トップダウン的アプローチ」が是とされます。
宇宙の起源に明確な初期条件を定義せず、現在から過去に向かって宇宙の歴史を辿っていくアプローチ方法。
「どうあったか」よりも「どう説明できるか」を重要視する、真に「科学的」な態度ですね。
それにしても、宇宙の起源においては空間と時間の区別もない、なんて言われちゃうと、ただただすげえなと思うしかありません。
一時だけ震災のことも原発のことも忘れてしまいます。