騎手の一分 競馬界の真実 (講談社現代新書) | |
藤田伸二 | |
講談社 |
Kindle版にて読了。
『第4章 なぜ武豊は勝てなくなったのか』
読みたかったのは、ここ。
藤田の見解を在り体に云えば、「いい馬が回ってこなくなったから」。
身も蓋もありませんな。
まあ武豊は、いい馬に乗ったら確実に勝たせる、という点で名騎手だったのだけれど。
それにしても、80年代後半~90年代~00年代前半とずっと競馬を見続けてきた身からすると、あの武豊が重賞を殆ど勝てずリーディングの下位に甘んじているということが未だに信じられなくもある。
藤田がこんな世捨て人みたいになって、騎乗数が激減しているという事実も正直知らなかった。
もはや自暴自棄になったかつての名騎手の暴露本、といった体で、藤田が岩田康誠や福永を嫌いなのはよく伝わってくるけど、大手馬主や調教師、外国人ジョッキー、エージェントを批判するのではなく「悪いのはJRA」の一言ですべて締めくくってしまうのは、まだまだ正直になりきれてないのかな、とも。
エージェント制導入なんて全然知らなかったけど、すり合わせからモジュール化へという世の流れを受けているようでいて、元・競馬記者が人脈を生かしてエージェント業をやってるなど、確かに中途半端なんだよな。
それにしても、1996年をピークにJRAの売り上げが半分近くに激減しているのはまだしも、入場者数もほぼ半減というのはかなりショッキングだった。
ダービーや有馬記念での、あの地響きが唸るようなスタンドの大歓声が懐かしい。
また競馬場に行ってみようかな。