「相対性理論」を楽しむ本―よくわかるアインシュタインの不思議な世界 (PHP文庫) | |
佐藤 勝彦 | |
PHP研究所 |
Kindle版にて読了。
文系人間なもので、物理学などには苦手意識とともに妙な学習意欲というか無謀な興味があって、かつてホーキング博士の本なども読んだことがあります。
そのときにも、正確に理解しないまでも、相対性理論がどんな話なのかイメージくらいは持てるようになりたいなと思ってたんですが、ちょうどよさそうなこの本の存在を知ったので読んでみることに。
入門書の入門書、くらいのレベルなんだろうけど、まさに求めていた内容で満足。
ちんぷんかんぷんだった「空間と時間の区別がない」という意味もイメージすることができました。
大きく、内容は以下3部。
1.特殊相対性理論
2.一般相対性理論
3.宇宙論
特殊相対性理論…「時間と空間」「質量とエネルギー」がそれぞれ独立したものではなく、相互に関係している。
ここについては具体的な思考実験をベースに理屈が解説されるので、考え方自体を理解することができます。
一般相対性理論…特殊相対性理論に「重力」「加速度」の概念を加えて一般化。「物質と時空」が独立せず、相互に関係している。
こちらはあまりに高度な数学が用いられているということで、詳細な理論は省略され、イメージだけが解説されます。
「加速度運動をしているものの中では『自分が止まっている』とは考えられない」なんてのは、なかなか理解しやすい説明だなと印象に残りました。
宇宙論
粗々の概略のみですが、現代にいたるまでの宇宙論の進展を一通り知ることができます。
「時間と空間と物質」なんていう通常の感覚では別モノとしか考えられないものが一つの関係式で表すことができるというのには、確かにこの本の中で云われるように「美しさ」と「ロマン」を感じる。
そんな醍醐味のさわりくらい知っておきたい、という人にはオススメです。