そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「眉山」 さだまさし

2007-05-21 00:02:34 | Books
眉山 (幻冬舎文庫 さ 8-4)
さだ まさし
幻冬舎

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短時間ですらすらと軽く読めそうな小説が読みたい気分だったので、映画化されて現在上映中の「眉山」原作を買ってみた。
軽く読めたという点では期待どおり。
テーマ的には軽いというわけでもないんだけど。

阿波踊りという一大イベントに対する地元の人たちのひとかたならぬ想いが、よく描かれていた。
主人公の女性は、どちからというと控えめでおとなしいタイプなんだけど、子供のころから身体の芯まで阿波踊りが染みついており、囃子が聞こえるだけで自然と体が熱くなり、つい腰が浮いてしまうと言う。
そういう感覚って、本当に伝統のある地元の祭りを体験している人たちには共通して存在するものなんじゃないか、という気がする(阿波踊りほどメジャーなものでなくても)。
うちのヨメの家族なんかもまさにそんな感じで、年に一度の夏祭りのために生きてるんじゃないか、という気すらするのだ。
東京の住宅街育ちで、祭りといえば団地の盆踊りくらいしかなかった自分には存在しない感覚。
そういうのがとても上手に描かれていて、その上でクライマックスに登場する阿波踊り本番の場面はなかなかの情感を生み出す。

一方で、主人公の母親である「神田のお龍」さんの生涯にまつわるドラマの部分には、いまいちノレなかった。
「神田のお龍」さんはたいそう魅力のある女性として描かれているのだが、その魅力がすべて、登場人物による、ひいては作者による言葉で”説明されている”ような印象を受ける。
どうも血が通っていない感じがするのだ。

話のキーポイントとなる「献体」についても、その真相を含めてやや説明的に過ぎるような気がするし、サイドストーリーである主人公と医師の関係もややベタ。
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パソコン買うた

2007-05-19 23:58:50 | Diary
4年前に買ったDELLのノートPCの調子が悪くなった。
といっても最近の話ではなく、もう半年くらい前からなんだけど。
使ってるうちに本体がだんだん熱を帯びてきて、ファンの音が高揚し方と思うと突然プチっと落ちてしまう。
DELLのサポートデスクに電話したら、マザーボードを交換する必要があるとのことで、送料含めて5~6万円かかるという。
そんなにかかるのなら、新しいパソコン買った方がいいや、と思いつつ、引っ越しやら何やらで物入りだったので、誤魔化し誤魔化し使い続けていたんだけど、ここのところさらに状態は悪化して、ちょっと負荷のかかる処理をやらせる(重いサイトを開くとか)や10分も持たずに落ちるようになってしまった。
あまりにストレスがたまるし、データ消失も心配なので、ようやく重い腰を上げてパソコンを新調することに。

ネットでいろいろ探した結果、NECのデスクトップの2007年1月モデル(pentium4、メモリ1GB)が17インチディスプレイ付き、MSオフィスバンドルで、13万円台で売っているところがあったので、これは買い得と思ってさっそく注文。
今日届いて、コドモにジャマされつつセットアップし、こうして新パソコンから初エントリしている次第。

いや~快適、快適。
というか、これまでがあまりに酷い環境だったんだけど…
VISTAやIE7、オフィス2007はまだまったく使いこなせてませんが。

それにしても、過去を振り返ってみると、ちょうど4年周期でパソコン買い換えてる気がする。
これで4台目(富士通デスクトップ→VAIOノート→DELLノート→NECデスクトップ)。
壊れる周期って、やっぱしだいたい決まってるのね。
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「プーチニズム 報道されないロシアの現実」 アンナ・ポリトコフスカヤ

2007-05-16 20:55:55 | Books
プーチニズム 報道されないロシアの現実
アンナ・ポリトコフスカヤ
NHK出版

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VIVAさんのブログで紹介されていて、ぜひ読んでみたいと思っていた一冊。
高いので、図書館で借りてきました。

アメリカや、中国・韓国・北朝鮮に関する報道は日々盛んに行なわれ、人々の関心も高いのに比べ、日本ではあまり詳しく知られていない現在のロシア。
チェチェン共和国がどこにあるのか説明できる日本人なんてまずいないだろう。
ペレストロイカからソ連邦崩壊、冷戦終結を経て、今やサミットの構成国ともなり、すっかり西側の一員のフツーの国であるかのように思われているからだろうか。

一方で、去年は北海道の漁船がロシアの国境警備隊に銃撃されて船員が殺された事件があったり、英国での元KGBスパイ怪死が世界的な話題になったり、ヨーロッパでも極東でもゴリ押しの”資源外交”が目に余ったり、4月のプーチン大統領年次教書演説では欧州通常戦略条約の履行締結を宣言したり、今日のニュースによれば軍事政権下のミャンマーに原子炉供与することで合意したり(露、ミャンマーに原子炉供与(産経新聞) - goo ニュース)と、「この国、やっぱりちょっとオカシイかも?」と思わせる何かが漂っているのもまた事実。

そんな恐ろしげな国、ロシアの”報道されない現実”を、反プーチン派の急先鋒である女流ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤが書きしたためた力作ルポルタージュ。

書かれている内容は、衝撃、の一言。
とても近代国家とは思えない腐敗のオンパレード。
政治家・軍・警察・官僚、そして司法までもがグルになり、権力がすべて物を言う社会の実態がこれでもかと暴かれる。
この国で不幸にならずに生きていくためには権力におもねる以外に方法が無い。
それを潔しとしない人間は、権力によって社会的に葬り去られる。
何より恐ろしいのは司法までもが権力側に牛耳られているということ。
無実の人間が罪を着せられ、極悪非道の人物が司法により守られる。
正義の欠片も存在しない。
チェチェン人に対する理由無き差別も酷い。
それこそナチスドイツのユダヤ人迫害や、関東大震災時の朝鮮人狩りなどを連想させられる。
著者によれば、今のロシアは、スターリン時代、共産党独裁時代の旧ソ連に先祖がえりしたかのようだという。

もちろん、この本に書かれていることが、現在の彼の国における真実を、本当に客観的に示しているのかどうかは、わからない。
が、何より重いのは、この本を著したアンナ・ポリトコフスカヤ自身が、昨年10月モスクワの自宅エレベーターで何者かに射殺されたという事実。
その真相はいまだに明らかになっていないようだが、こういった内容の本を著した(もちろんロシア国内では発禁)ことと無関係ではあるまい。

このような暗黒の側面をもっている大国と、海を隔ててわずかな距離に隣接し、過去百五十年ほどの間に幾度も戦火を交え、現在でも国境問題を抱えているという認識を、日本人として持っていなければならないと改めて感じた。
中国、北朝鮮だけではない。
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ミラコスタ

2007-05-13 21:43:41 | Diary
昨日は妙なエントリをしてしまったけど、この週末は東京ディズニーリゾートに出かけ、昨晩はホテルミラコスタに宿泊。
もともとはヨメの両親が上京してきて泊まるはずだったところ、都合が悪くなってしまったので、権利を譲ってもらってうちの一家が泊まらせてもらったのである(お代はヨメの両親持ちで・・・)。
ちょうどディズニーシーのゴンドラ乗り場のあたりに面している部屋で、なかなかいい雰囲気。
何より帰る時間を気にしなくていいし、疲れたら部屋に戻って休めばいいというのは快適だった。

1歳3ヶ月のコドモは、あんまりわかってなかったけど、キャラクターが見えれば喜ぶし、陽気な音楽は大好きなのでパレードやショーはけっこう楽しんでいた。
さすがにアトラクションはほとんど乗れなかったけど。

GW明け直後の週末ということで人出はやや少なめか。
特に昨日(土曜)のディズニーシーは、休日とは思えないほど控えめな混み具合で快適。
今日ディズニーランドに行ったら、さすがの混み具合だったけど。
最近はシーよりランドの方が人気があるらしい。

今日は早めに15時頃上がってきたけど、GWから連続での家族サービスは身体にこたえる・・・
(みんなそうだから空いてる、というわけだけど)
明日から仕事、つらいなあ。
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ここはベネチア?

2007-05-12 15:24:33 | Diary



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嗚呼、キョウエイマーチ

2007-05-10 19:55:27 | Sports

桜花賞馬キョウエイマーチが死亡(Yahoo!ニュース-netkeiba.com)

9日午後9時、北海道安平町のノーザンファームで繋養されていた97年桜花賞馬キョウエイマーチ(牝13)が、出産時における大腸変位のため死亡したことがわかった。

 キョウエイマーチは父ダンシングブレーヴ、母インターシャルマン(その父ブレイヴェストローマン)という血統。96年11月にデビューし、97年4歳牝馬特別・西(GII)で重賞初制覇を果たすと、続く桜花賞(GI)もメジロドーベルに4馬身差をつけ圧勝。・・・通算成績28戦8勝(うち地方2戦0勝、重賞5勝)。

キョウエイマーチは好きな馬だった。
メジロドーベル以下をぶっちぎった桜花賞も強烈だったが、一番印象に残っているのは逃げ粘ってタイキシャトルの2着に残った4歳秋のマイルチャンピオンシップ。⇒レース結果(Yahoo!スポーツ)
歴戦の古馬勢に、スピードワールド、タイキシャトル、トーヨーレインボーという同い年の強力牡馬に混じり、4歳(今の数え方だと3歳)の牝馬が大健闘。
レースのラップタイムを見ても、2ハロン目・3ハロン目が10秒台と、逃げ馬には相当厳しいペースだったにもかかわらず。
その後も、牡馬に混じってマイル以下の距離では常に上位に食い込んでいた(馬券も相当買った気がする)。

残念ながら、今のところ繁殖としては目立った活躍馬を産み出していないが、未デビュー馬が2頭いるとのことなので、今後に期待しよう。合掌。

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ガソリン高騰で

2007-05-07 23:47:54 | Society

今回の大型連休では総計700kmほどドライブをし、3回給油した。
満タンにすると車が重くなる気がするので、最近は一回に20Lずつチビチビと給油してんるんだけど、今回はだいたい2,700~2,800円くらい(ハイオク)。

ところで、「大型連休のさなかにガソリン値上げ」というニュースが盛んに伝えられていた先週の今頃、テレビのニュースはガソリンスタンドに給油しに来た一般人のインタビューを流していたけど、必ずといっていいほど登場するのが「連休なので車で出かけようと思ってたけど、ガソリンが高くなったのであきらめました」と話す人。
こういう人って、連休中にいったいどんだけの距離を走行するつもりだったんだろか?
リッター当り5円高くなったとして、たとえ100L給油したってたかだか500円の違いにしかならない。
その500円ゆえに連休中の外出をあきらめざるを得ないなどと本気で考えているのだろうか?
こういう頭の悪い冷静さに欠ける発言を平気でしてしまう輩も輩だが、そういう「庶民の声」を伝えることが自分たちの義務だと言わんばかりに安易にインタビューを垂れ流すメディアもどうかと思う今日この頃である。

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GW総括

2007-05-06 21:45:57 | Diary
今年のGWは、前後半に分断されていて・・・と言われていたが、1日・2日は通勤電車も空いていたし、けっこうまとめて休んだ人も多いのだろうか。
自分は、毎年のことながら、暦どおりでした。
前半の三連休は、青山こどもの城に行ったくらいで、あとは公園やら幼児スイミングやら家の回りから離れず(どっちにしてもコドモ中心)。

後半はヨメの実家に帰省。
天気に恵まれたけど、コドモがちょっと風邪ひいたりしたこともあり、まったりと過ごしているうちにあっという間に日は過ぎていった。
そんな中で初めて体験したことがいくつかあった。

(1)ETC割引
高速走行中に携帯からエントリしたけど、今回は往復とも夜8時過ぎに出発して深夜1時過ぎに到着という旅程。
ETC深夜割引を始めて使ったが、往復合計で約4000円の特になったので、これは大きい。
どれくらい世の中に知られているかわからないけど、深夜帯へのシフト効果はけっこうあるんだじゃいだろか。

(2)Wiiスポーツ
ヨメの実家にWiiがあったので、今さらながらWiiスポーツを初体験。
テニスも野球もボーリングも、豪快に決まるので爽快感あり。
おかげでWii痛も初体験。前腕の筋肉が痛くなるのは、テニスやった後とまったく同じだった。

(3)リフレクソロジー
近くの温泉に行ったついでに、足裏マッサージを初体験。
たった20分だったけど、血行の良化を確かに実感できる。
想定どおり、首と肩の反射部が特に凝っていたとのこと。

写真は、ヨメの実家がある町の駅を起点として毎日走っている、磐越西線のSL。
連休なので、子供づれが列車にホームに溢れていた。
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関越北上中

2007-05-02 22:59:01 | Diary
ただ今、ヨメの実家に向かって関越道を北上中。
ヨメにドライバーを交代し、コドモはチャイルドシートで爆睡。練馬から川越まで寝ぐずりで大泣きだったけど…
車の量はけっこう多いけど、渋滞らしい渋滞はないまま群馬県に突入しました。
このまま行けば日付が替わってから高速を降りることになるので、ETC割引ゲット!
これがけっこうデカいんだよね~
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「これから10年、新黄金時代の日本」 ビル・エモット

2007-05-02 00:05:35 | Books
これから10年、新黄金時代の日本

PHP研究所

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ビル・エモットといえば、1990年に「日はまた沈む」で日本経済のバブル崩壊を言い当てたイギリス「エコノミスト」誌の元編集長で、近著「日はまた昇る」では日本経済に”復活宣言”を与えた(自分はどっちも未読)。
本書は新書版の新刊だが、ここ3年くらいの間に日本の雑誌に書いたコラムを集めたもので、書き下ろしではない。
書かれている話題も、本のタイトルにある日本経済の復活をテーマにしているのは最初の50頁ほどで、残りはアジア、アメリカ、ヨーロッパなど各地域の経済・政治状況に満遍なくスポットを当てて論じている。
やっつけ仕事で作られた本、という感じもしなくもないが、まあ新書なので仕方がないか。
ちなみに、本書中でも語られているが、目下著者の最大の関心事は中国経済で、日中の関係性をテーマにした著作を準備中とのことなので、近々発刊されるのかもしれない(ハードカバーでババンと)。

著者の立ち位置は、市場主義経済・自由貿易の信奉者で、生粋のグローバリスト。
日本の”復活”についても、経済・社会の”改革”が為されたがゆえのものであり、今後も市場経済を通じて徹底的な生産性の向上が実現されることを条件に”繁栄”を予言する。
目指すべきは、超長期の経済繁栄を続ける英米の姿、とする。
そういう点では、あまり目新しさを感じる考え方ではないのだが、世界の最貧国を救うためにも自由貿易は実現されるべきとの主張は自分に新しい視点を与えてくれた。
保護主義については、先進国や中進国相互の問題、あるいは、国内問題として捉えがちだけど、忘れてはならない視点だと思った。

それにしても、特筆すべきは著者の徹底的な自由主義経済に対する確信だろう。
グローバリズムと市場経済至上主義については、左右両方からの異論も多いけど、ここまで確信的に語られると力を帯びて見えるのも確か。
心情的にはグローバリズムには肩入れしたくない気持ちが自分にもあるのだが、一方で情緒に走らない形でのアンチテーゼの提示は現代においてもなかなか確立できていないようにも思う。
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