そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

ここでもメディア・バイアス

2008-02-13 23:32:58 | Society
「また米兵か」憤る沖縄 少女、携帯でSOS(朝日新聞) - goo ニュース

どうしようもなく卑劣で、心から憎むべき犯罪であるのは間違いない。
が、非常に残念なことではありますが、こういった不埒な性犯罪というものは、報道されないまでも、日本中で無数に発生しているのではないでしょうか。
ただそれが「沖縄で」「米兵が」ということになるとこうして大きく採り上げられ、「またか!」という世論が喚起される。
ここでもまたメディア・バイアスが働いているように思います。

そして、こういう事件があるたびにネット上では散々語られる、被害者の「落ち度」の問題。
今回だって「いたいけな女子中学生が、鬼畜のような大男に無理矢理…」といった物語では括り切れないのだとは思いますが、かと言って詳細な”事実”が明らかでない中、推測で「落ち度」云々と謂われてしまう不幸。

いずれにしてもイヤなニュースです。
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「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」 松永和紀

2008-02-13 23:10:52 | Books
メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書 (298))
松永 和紀
光文社

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世間の興味は移ろいやすいようで、”毒入り餃子”の話題もだいぶ下火になってますな。
本書は、TBSの「白いんげんダイエット」事件や記憶に新しい関西テレビ「あるある大辞典Ⅱ」の「納豆ダイエット」捏造事件を契機に、メディアに氾濫する、主に”食”にまつわる健康情報の非科学性やいい加減さを暴き、メディアが何ゆえそのような”ニセ科学”を競って報道したがるのか、”メディア・バイアス”が生み出される要因をあぶり出します。
著者は、農業・食品・環境などを専門とするフリーランスの科学ライターで、自身以前は毎日新聞社の記者としてメディア側に身を置く立場だったという経歴の持ち主です(名前から男性だと思ってましたが、”わき”さんという女性でした)。

こういった科学的論拠に欠ける健康情報の喧伝には、大きく2種類あります。

1つは「あるある」の「納豆ダイエット」に代表されるような「●●は健康によい」「○○はダイエット効果がある」といった積極的効能を大げさに伝えるもの。
この本で取り上げられているものとしては「寒天」「βカロテン」「有機野菜」「マイナスイオン」などがあります。
「マイナスイオン」なんて素人の自分でも「怪しいな~」と思ってましたが、まず「マイナスイオン」なるものの定義からしてはっきりしてないし、科学者の間では人体に好影響があるなどといったことは全く相手にされていないとのことです。
そのわりに「マイナスイオン」機能の付いた家電って世の中に氾濫してますね。
我が家にもありますが。
それ以外のものも、効能があるにしても特定の条件下に限っての話だったりして、条件が違うとまったく効果がなかったり逆に健康に悪影響を与えるケースもあるとのこと。

もう1つは「△△は危険!」「▼▼は体に悪い!」といたずらに不安を煽る警鐘報道です。
例としては「食品添加物」「中国産野菜」「DDT」「PCB」「環境ホルモン」「遺伝子組換え大豆」など、枚挙に暇がありません。
もちろん著者もこれらに全く危険性がなく安全だと言ってるわけではありません。
ただうまく使用条件や使用量をコントロールして利用すれば有用な面もある、ということです。
闇雲にバッシングするのはあまりに短絡だと。
こういった過剰な警鐘報道が氾濫するのはマスメディアの構造的な問題が根底にあると解説されます。
マスメディアは読者・視聴者の目を惹くためにセンセーショナルな報道に傾きがちである。
しかも、「◎◎が安全」と報道してそれが間違いだったらメディアの責任問題になるが、「××が危険」と言う分には責めを負うリスクは小さい。
だからこのようなメディア・バイアスが生じてしまうのだ、と。

個人的にはマスメディアが伝えることなんて殆ど信じなくなっているので、この本に書かれていることを読んでも大して驚きもしなかったんですが、上記に例示したようなものの効能・危険性を疑っていない方がいれば、一読してみると目からウロコかもしれません。
ただ、著者が若干行政寄り、というか国家のコントロールへの信頼がかなり厚そうなところは若干気になりましたが。
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倖田舌禍を巡る対立構図

2008-02-10 22:49:40 | Entertainment

小田嶋隆氏のブログで倖田來未の「羊水」発言にまつわる騒動が採り上げられていました。
なかなか興味深かったので以下引用させていただきます。

小田嶋氏は倖田発言を「ひどい失言」として「企業の広告が手を引くのも当然」と断じています。
また、「発言した媒体(←AMラジオ)の気楽さ(およびマイナーさ)から考えると、騒動の波及範囲が不当に大きく、しかも急速」であり「『騒ぎすぎだ』とする見方にも、一理ある」とした上で、今回の騒動の「元凶」を「ネットに巣食う匿名の正義派気取りの人々(具体的には@2ちゃんねらー)」に帰そうとする一部マスメディアの姿勢を批判しています。
「ネットを悪者にするのはスジ違い」であり、「この度の騒動の震源は、発言の内容以上に、倖田來未というタレントの資質そのもののうちに内在していたものだからだ」としています。

この度、倖田発言が特に問題にされたのは、要するに、倖田來未という歌手に対する反感があらかじめ醸成されていたからで、そういうふうに手ぐすねを引いた状態で失言を待ちかまえているテの世論が、爆発寸前になっていたからこそ、騒動は急速に拡大したと、そう考えるべきだ。

つまり、「コーダ調子のってんじゃねえぞ」「なーにが歌姫だか」という気分が、あらかじめ巷間に蔓延しているのでなかったら、こんなふうに炎上する事態にはならなかったということだ。
ついでに申せば、倖田來未がエーベックス所属のタレントでなかったら、騒ぎはここまで大きくなってはいなかった。のまねこ事件や浜崎あゆみをめぐる様々な行きがかりからして、@2ちゃんねらーの多くは、おそらくエーベックスに対して良い感情を抱いていないわけだから。

さらに、今回の件でマスメディアに倖田サイドを擁護する姿勢が目立つことを、先の沢尻エリカ騒動と比較して興味深く論じています。

沢尻エリカ発言の問題点は、なにより「業界の仁義を裏切っている」点にあった。彼女は、「得意先の段取りを台無しに」した、「礼儀知らず」のタレントであり「監督の顔をツブ」し、「先輩アナウンサーのフォローを無視」した、不届き至極な秩序紊乱者であった。
とすれば、芸能界のインサイダーたるコメンテーターの皆さんは、沢尻の逸脱を、絶対に許すわけにはいかなかった。だって、こういう不埒な態度を許していたら業界が成立しないから。

対して、倖田來未の発言は、業界や現場に損害を与えたというよりは、より純粋に対視聴者の問題だった。
発言を聞いて不快に感じた視聴者もいただろうし、高齢出産を控えた女性とかは、モロに傷ついたかもしれない。でも、ほら、くーちゃんっていうのは、もともとがぶっちゃけで売ってるヒトなわけだし……と、業界の人間は同情したのだね。明日はわが身でもあることだし。
くーちゃんの発言は、たしかに不用意で無神経で未熟だった。でも、失礼だったり礼儀知らずだったり仁義を踏み外していたり言語道断だったりはしていない。許してやろうよ、と。

そして、テレビなどのマスメディアの倖田擁護姿勢の背景には「ネット世論への反発」という要素が存在しているであろうことを指摘しています。

個人的には今回の騒動には大して関心がなかったので、2chなどネット側からの批判も読んでない一方でワイドショーでどのようなトーンで採り上げられていたのかもよく知らないのですが、直感的には小田嶋氏が分析するように今回の騒動の背後に「既存マスメディアvsネット世論」という対立構図があるという見方には説得力を感じます。
小田嶋氏の指摘にもあるように、自分の感覚からしても大して容姿が美しいわけでも歌が巧いわけでもなく楽曲が特段いいとも思えない倖田來未という歌手がここまで持ち上げられていることに、レコード会社およびテレビといった既存マスメディアの権力の匂いを多くの人が感じ取っており、それが今回の騒動の引き金になったという感じはします。
(倖田來未に関しては、売れ始めの頃のPVでほとんど半裸のような恰好で全身を目の粗い網タイツで覆ったボンレスハムみたいな姿には強烈なインパクトがあったんですが、イロモノ路線がいつの間にか”本格派”を目指してしまったところに無理があったというか…)
そういった反発心には正直共感してしまう部分もあるんですが、かといって小田嶋氏のように過剰なバッシングを肯定する気にもなれません。
いくら気に喰わないヤツだからといってここぞとばかり集中砲火を浴びせるやり方はやはり健全とは言えないような。
発端となった発言にしても、どうしようもない無知無能な発言ではありますが、状況からして本人に悪気がなかったのは間違いないと思われ。
まあ悪気がなくってあんなことを言ってしまうこと自体、お里が知れるというか低レベルぶりを露呈しているわけですが、それ以上でもそれ以下でもないような気がします。
むしろ自分としては、小田嶋氏が指摘する沢尻問題の時との既存メディア・芸能界における反応の違いのほうに病理を感じるのです。
既存の秩序への防衛心から内輪の論理を正論にすり替えようとしているというか、マスメディア権力の硬直化を感じざるを得ません。
例えばフジテレビのニュースが独占で謝罪インタビューを流すということ自体、癒着というか、気持悪さを感じます。

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2nd birthday

2008-02-07 22:20:48 | Diary
今日でコドモが2歳になりました。
ああ、もうあれから2年。
月並みだけど、早かったような、長かったような。

まあでも総じて順調に、よく育ってくれたと思います。
最近はハウスダストのアレルギーでちょっと咳喘息の気が出てたりしますが、結局2年間で発熱したのはウィルス性の腸炎を貰ってきたときと、中耳炎の2回だけ。
風邪で高熱というのも未経験です。
まずは元気でいてくれるのが何より。
最近は外出すると処構わず駆け回りたがるので手を焼いてますが、それも元気な証拠。
コミュニケーションもすっかり日本語らしくなった会話で交わせるようになってきたし、日々成長を感じています。
振り返ればいろいろとたいへんだったなぁなどとシミジミしてしまいますが、一番たいへんなのは四六時中いっしょにいるヨメ。
感謝してます。

ヨメのお腹の二人めのほうも30週目を迎えました。
早いものでそろそろ八合目に差し掛かるところです。
コドモは相変わらずお腹の赤ちゃんにヤキモチを妬いてますが、今日は方々から誕生日プレゼントのおもちゃを貰って機嫌がよかったのか、「おにいちゃん~」などと言いながら珍しくヨメのお腹をナデナデしてました。
あと2ヶ月ちょっと経てば彼も正真正銘の「おにいちゃん」になるわけで、そうなったらそうなったでまたたいへんでしょうが、新たなる成長のステップが楽しみでもあります。
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「エンドレス・ワーカーズ―働きすぎ日本人の実像」 小倉一哉

2008-02-06 23:44:14 | Books
エンドレス・ワーカーズ―働きすぎ日本人の実像
小倉 一哉
日本経済新聞出版社

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長時間労働、サービス残業、年休消化、非正規雇用、勤務時間制度…といったいくつかの切り口からみた日本の労働者の実態、そして、そういった実態を招くに至る労働者の心理や環境、またそういった実態が労働者の心身に与える影響について、客観的な調査データに基づきまとめられた本です。
実に研究者らしい真面目さで書かれており、安易な結論付けを行わないよう分析も非常に慎重に論じられている点は好感が持てます。

が、一方でそれゆえ特段目からウロコといった新事実が述べられるわけでもなく、読み物としては若干面白みに欠けるかな、というのも正直なところ。
自分が普段直感的に抱いているイメージと、この本に書かれている事象はあまりズレているところはありませんでした。

考えてみれば、そういうふうに感じることができるということは、自分が今けっこう恵まれた労働環境にいるってことなのかなとも思います。
20代の頃は、泊まり・休日出勤も当たり前で一月で完全に休めた日が3日しかない…なんて時期もあったものだけど。
現在自分は裁量労働制で勤務しているんですが(そのこともあって関心を持って読んでみました)、特にそれで過重労働になってるってこともないんです。
ま、この先どうなるかはわかりませんが・・・
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東京銀世界

2008-02-03 20:28:02 | Diary
首都圏の電車、雪で大きく乱れる JRなど運休・遅れ(朝日新聞) - goo ニュース

写真は今朝8時前に撮ったものです。
夜明け前から降り始めるとけっこう積るものですね。
現時点でもまた降り続いてますが、昼間は気温が多少は高くなるし、人も車も通るので、歩道も含め道路の雪は解け水溜りになってしまっています。

昼間は出歩いている人も極少でしたが、雪国慣れした我が家はスタッドレスを履いた車で出掛けました。
いつもの休日は止める場所を探すにも苦労する玉川高島屋の駐車場も、今日はガラガラ。
交通も乱れていたようで、日曜日でよかったね…
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