らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「春の七草」と健康効果

2010-01-08 | 雑学

昨日、七草粥について少し触れましたが、今日は「春の七草」を個別にご紹介します。

「春の七草」とは、「芹(せり)」、「薺(なずな)」、「御形(ごぎょう)」、「繁縷(はこべら)」、「仏の座(ホトケノザ)」、「菘月(すずな)」、「蘿蔔(すずしろ)」の七種類を言います。
これらの若葉を炊き込んだお粥が七草粥で、これを1月7日の朝に食べると邪気を祓い、病気を予防し寿命を延ばすといわれていますが、現在風に解釈すると、
冬場に不足しがちなビタミン類を少しでも補うことによって、御節(おせち)などを食べすぎて、酸性になった身体を中和する効果を求めているものと思います。
 
「春の七草」と健康効果 
・「芹(せり)」     

 セリ科の多年草で、湿地や田んぼの周辺水路などに生育ています。
 セリの名前は、一箇所に競り(せり)合って生えているところからつけられたと言われ、食用には草丈10㎝~20cmほどの若葉を採取して食べます。
 栄養素は、鉄分、食物繊維、ビタミンCを含んでおり、その健康効果は貧血や便秘、そして風邪の予防に有効といわれています。
 また、神経痛やリウマチの痛みの軽減、止血作用にも効果があると言われ、生の絞り汁は小児の解熱剤になるようです。

 ・「芹(せり)」です。 一箇所に競り(せり)合って生えています。
  

・「薺(なずな)」
 アブラナ科の越年草で、別名を「ぺんぺん草」と言います。
 「ペンペン草」の名前は、花後につける逆三角形の実を三味線の撥(ばち)に見立ててつけられたようです。
 栄養素は、たんぱく質を多く含み、ビタミンA・B・B2、カルシウム、鉄分、マンガンなどのミネラルも豊富で、止血剤や通風などに効くと言われています。
 他にも、貧血や血圧を下げる作用、利尿、便秘解消に有効とされており、日本では昔から胃健、解熱などの民間薬として用いられてきたようです。

 ・「薺(なずな)」です。
  

・「御形(ごぎょう)」  
 菊(きく)科の越年草です。
 この花は、本来は「ハハコグサ(母子草)」と呼ばれ、「御形(ごぎょう)」は春の七草での呼び名となっています。
 田んぼのあぜ道や道端、人家近くに生え、4月~6月頃、茎の頂に黄色い花を多数密集して咲かせます。
 たんぱく質、ミネラルに富み、痰きりや気管支炎、扁桃炎、風邪の予防に効果があるようです。

 ・「御形(ごぎょう)」です。 
  

・「繁縷(はこべら)」  
 ナデシコ科の越年草です。
 道端や庭先など、どこにでも生える雑草です。花期は3月~9月で白い小さな五弁の花を次々に咲かせます。
 たんぱく質、ビタミンB・Cなどが豊富で、昔は食用にしていたそうですが、私の子供の頃は鶏やヒヨコの餌にするため、田んぼなどによく取りに行った事が思い出
 されます。

 ・「繁縷(はこべら)」  
  

・「仏の座(ホトケノザ)」      
 キク科の越年草で、和名は「コオニタビラコ(小鬼平子)」といい、田やあぜ道に生えるタンポポに似た小形の雑草です。
 根出葉はロゼット状(放射状)で、地面に広がった葉の様子が仏様の蓮座に見えることから「仏の座」と呼ばれているようです。
 花茎は高さ10㎝くらいになり、3月~5月に黄色の花をつけます。
 若葉が食用となり、痛み止めや腫れの治療に利用されるようです。

 ・キク科の「仏の座」です。
   

 「仏の座」には、キク科の他にシソ科の種類もあります。こちらは「オドリコグサ(踊子草)」の仲間で別種です。
 高さ10㎝~30㎝ほどで直立した茎に丸めの葉が対生し、4月~6月頃、葉腋に紅紫で長さ2cmくらいの細長い唇形の花をつけます。
 葉の対生するさまを仏像の台座に見立てたのが名前の由来といわれています。

 畑のあぜ道や平地の草地に生えており、最近ではこちらを「ホトケノザ」とすることが多いようです。
 私の畑にも次々に生えてきて困っています。

 ・シソ科の「仏の座」です。
    

・「菘月(すずな)」
 アブラナ科の一年草で「蕪(かぶ・かぶら)」のことです。
 蕪(かぶ)は頭の意味で、根が頭状の塊になるのでそう呼ばれています。
 春になると茎が伸びて黄色で十字形の小花を咲かせます。

 根にはでんぷんの消化を助ける酵素ジアスターゼ、たんぱく質を分解する酵素のアミラーゼ、それに食物繊維が豊富に含まれていることから、食べ過ぎや胸やけ
 の不快感を鎮め、腸の働きも正常に整えるといわれています。
 根のおろし汁は古くから胃炎や胃潰瘍に効くとされています。

 ・「菘月(すずな)」です。よく知られている「蕪(かぶ・かぶら)」のことです。
  

・「蘿蔔(すずしろ)」
 アブラナ科の越年草で、大根のことです。
 たくさんの品種があり、最も大きいものは「桜島大根」で直径30㎝以上にもなります。
 春には茎が伸びて白色の花を咲かせます。
 神経痛や胃腸、咳止め、食中毒時の腹痛、冷え性、食欲の増進、二日酔い、頭痛などに有効とされています。

 ・蘿蔔(すずしろ)です。いわゆる大根のことです。
  

以上が「春の七草」ですが、名前は知っていても実際に草をご存知の方は少ないのではないでしょうか。
「春の七草」はいずれも薬用効果があって食用になりますが、その実態は、蕪や大根を除くと田やあぜ道、道端などに生えている雑草です。