今日は、我が家の鉢で栽培している「花海棠(ハナカイドウ)」をご紹介します。
「花海棠(ハナカイドウ)」は春を代表する花の一つで、美人の代名詞とも言われているとても美しい花です。
この花は、バラ科リンゴ属に属する落葉性花木で、原産地は中国、日本には江戸時代初期に渡来ました。
名前の由来は、中国名の「海棠」をそのまま読んだもので、15世紀に渡来した実の大きな実海棠(ミカイドウ)に対し、花が美しいので「花海棠(ハナカイドウ)」と命名されたそうです。
・我が家の「花海棠(はなかいどう)」です。毎年きれいな花を咲かせます。
原産地の中国では、牡丹と共に最も愛好されている花の一つと言われているそうです。
唐の時代の玄宗皇帝が「楊貴妃」を評した言葉に、
「海棠(かいどう )睡(ねむり) 未(いま)だ 足らず」 があります。
これは、「楊貴妃」の眠りが足らず、酔いの醒めきらない美人のなまめかしさを海棠の花に例えたものといわれています。
その美しい淡いピンクの花が、ほのかに酒気を帯びた絶世の美女のうたた寝の顔に例えられており、このことが美人の代名詞となっている所以のようです。
また、美人のうちしおれた姿を、海棠が雨に濡れて萎れている様に例えて使われる言葉として、
「海棠(かいどう)の雨に濡れたる風情」 があります。
「海棠(かいどう)」の花は、美人に例えて使われる言葉がたくさんあって、とても幸せな花ですね。
・いつまでも見飽きることがない、正に、女性の美しさや柔らかさを表現するかのようなきれいな花です。
クレオパトラ、楊貴妃と共に世界三大美女の一人と言われている「小野小町」が詠んだ歌をご紹介します。
「はなのいろは うつりにけりな いたづらに
わがみよにふる ながめせしまに」 小野小町
(意訳) 花の色はすっかりあせ衰えてしまったなあ。
何もせずに降る長雨を眺めながら、空しく物思いをしていた間に。