あることをきっかけに、今までわからなかったことが急に理解できるようになることを「目から鱗が落ちる」と言います。
今日はこの諺の語源について調べました。
この諺の出典は『新約聖書』使途行伝の第九章にある「The scales fall from one's eyes.」という言葉に基づくようです。
それによれば、熱心なユダヤ教徒のサウロ(パウロ)はその立場からはじめはキリスト教徒を迫害する側に立っていましたが、復活したイエス・キリストから、「サウロ、サウロ、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかけられ、その後、目が見えなくなりました。
キリスト教を迫害していたサウロの目が見えなくなったとき、イエス・キリストは弟子のアナニアというキリスト教徒を派遣し、神のお告げによってサウロのために祈るとサウロの目から鱗のようなものが落ちて、目が見えるようになったと言われ、これが「目から鱗が落ちる」の語源になったと言われています。
この諺は単に「目から鱗」ともいいますが、正しくは「目から鱗が落ちる」です。
しかし、文化庁が発表した平成19年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方である「目から鱗が落ちる」を使う人は80.6パーセント、間違った言い方の「目から鱗が取れる」を使う人が8.7パーセントという結果が出ているそうです。
間違わないように気をつけたいものですね。