らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

水滴石穿

2013-08-28 | 雑学

今日は中国故事「水滴石穿(すいてきせきせん)」をご紹介します。
「水滴石穿」とは、軒下から落ちる僅かな水滴でも、長い間、同じ所に落ち続けると、ついには固い石にも穴をあけてしまうことから、小さなことでも継続すれば大きな成果を挙げることが出来るという事を例えた諺です。

中国・宋の時代、ある県の長官は蔵番の役人が蔵から出てくるとき、1文銭をふところに入れるのを見てしまいました。
直ちに長官は蔵番を逮捕し、厳しく取り調べたところ、蔵番はその1文銭を蔵から盗み出したことを認めたので、この蔵番を百叩きの刑に処すことに決めました。
すると蔵番は「たった1文銭盗んだだけで百叩きの刑とは、あまりに横暴がすぎる!」と不服を申し立てました。

それを聞いた長官は、さっと紙と筆をとり、次のようなことを書き付けました。
「一日一銭 千日千銭 縄じょう鋸きょ木断 水滴石穿」という判決文を書いてその場で死刑にしたそうです。
判決文の意味は、「一日一銭でも千日では千銭になる。縄でも鋸のこぎりのようにして木をこすり続けるとやがて木を断ち切る。僅かな水滴も長い間続けて石の上に滴り続けるといつしか石に穴をあけてしまう」というもので、些細なことから生ずる綱紀の乱れを厳しく戒めたものでした。

なお「縄鋸木断(じょうきょぼくだん) 水滴石穿(すいてきせきせん)」は、幕末の志士たちが愛読したという菜根譚(さいこんたん)にも引用されて、「縄鋸に木も断たれ、水滴に石も穿(うがつ)たる、道を学ぶものは、このように絶えず努力し続けなければならない」と訓(おし)えていたそうです。