暑い日が続きますが、皆さまお元気でしょうか。
先日、事務室の室温計が35℃を示し、手元の書類が肘を上げるたびに舞い上がるようになり、観念し冷房しました。
事務室に冷房はあるのですが、展示室にはなく、暑い中入館される方を思うと戸を閉め切った中で涼しい顔をしている気にもなれず、また、しょっちゅう出入りしていることもあり、これまでほとんど使っていませんでしたが、熱中症アラートも出てますし、たまに冷房のお世話になろうと思ってます。
さて、森林科学館の下の遊具の周りには、カラマツ、スギ、アカマツ、ケヤキなどの樹木があります。
ここを歩いていると、特にカラマツの根の周辺に、大小の硬貨サイズの穴が沢山あいています。
セミの幼虫が出てきた穴です。
カラマツの樹皮には、泥だらけの抜殻が
この泥だらけが、ニイニイゼミの一大特徴で、小さくて丸っこくて泥だらけ、
と覚えておけばOKです。
大きな穴から出てきたのは、アブラゼミ、泥はほとんどついてません。
なぜ泥だらけなのかを少し調べてみましたが、結論からいうとはっきりわかってないようです。
「湿った環境を好むから」というのは、今回同じ環境から出てきたアブラゼミがツルツルなのでおかしい。
「表面がザラザラしている」
「体表に出した分泌物と泥が一体化」
という説もありましたが、見た感じでは分泌物説が有力に思えました。
逆に、他のセミの抜け殻は、なぜツヤツヤなのかとも思いましたが。
もう一つ、頭の中に芽生えた?は、なぜカラマツなのかです。
ここのカラマツは植えられたものです。
カラマツの自生地は本州の山岳地帯周辺ですが、造林用として特に北海道や長野県などの寒冷地で大規模に植えられています。
頼成の森では、ほんのわずか植えてありますが、里山で植えられることはまずないでしょう。
つまり、この辺のセミはカラマツのことなど何も知らないはずなのに何故カラマツの根もとにばかり穴があるのかということです。
少し調べると、面白い記事が、
知床ののヒグマはコエゾゼミの幼虫を食べるために地面を掘り返す。
特にカラマツの人工林で集中的に。
カラマツ人工林の幼虫数は天然林の10倍も高い。
ということで、機械で耕したような掘り返した写真もありました。
カラマツには、セミが集まる秘密の魅力があるようです。
最後に、穴を見廻っていた時に見た虫をひとつ。
シオヤアブがコガネムシを捕食していました。
大変なハンターの様で、最強クラスの戦闘力を持つなどともいわれます。
高速飛翔で背後から鋭い口吻を差し込み体液を吸うようです。
自然界は奥深し、謎多し、面白し、ちょっとした出来事も調べるときりがありません。