山でたまに不思議なものを見ます。
今回、不思議な珍品、珍味風の物体の正体を確認しましたので、晩酌のおともに三種盛りをお楽しみください。
一品目は、春先から気になっていた乾物系の怪しい物体です。
支柱の天辺に目を凝らすと微かなモジャモジャが見えます。
漠然と、コケ?乾いた??でしたが、ようやく分かりました。
地衣類のコアカミゴケ。
調べたことをメモります。
・地衣類にはコケと名の付く種類も多いが、コケ植物とは全く異なる生物
(コケ植物:有名なのはスギゴケ、ゼニゴケ、緑色で光合成を行う)
・地衣類は菌類に分類されるが、藻類と共生している
・地衣類の菌類は、共生藻から光合成による栄養をもらう
・地衣類の菌類は、水や養分を共生藻に与える、菌糸で有害な紫外線を遮断
・体のほとんどが菌類で、中に囲われるように藻類が潜んでいる
・子器から胞子が飛び出し、共生藻と出会えれば地衣化が起こる
・乾燥しカサカサ、パリパリでも休眠状態でやり過ごす
・高山の岩やブナの幹のモザイク模様などは地衣類による
上のコアカミゴケの赤い部分が子器のようです。
特に珍しいということはないようですが、珍品探し脳がないと、視野に入ってもスルーしてしまうでしょう。
地衣類以外でも、コケ植物ではない、コケと呼ばれるものといえば、
モウセンゴケは種子植物
アユは石に付くコケを食(は)むと言われますが、このコケとは珪藻で藻類
本日の2品目、ゼリー系のプルプル珍品です。
コナラの根元のうろにおりました。
おそらくシロニカワタケ、キクラゲ類のキノコと思われます。
3品目、粉砂糖たっぷりデザート系
おそらく、キノコの気中菌糸
通常キノコとして見ているのは、繁殖のための構造である子実体で、世を忍ぶ仮の姿と申しましようか、本体は樹木の中などに広がる菌糸です。
気中菌糸とは、通常樹木の中などで成長するこの菌糸が、なんらかの理由で空中へ延びだすものです。
これからも、森の珍品探しに邁進する所存でありますので、珍品を見かけた方、ぜひ森林科学館に御一報お願いいたします。