「長州史観から日本を取り戻す」シリーズの続編です。今回はいわゆる不平等条約と関税自主権の喪失問題について。
外交能力・交渉能力のない無能な「江戸幕府」の大老の井伊直弼が、1858年に天皇の勅許を得ずに屈辱的な不平等条約を結び、日本は関税自主権を喪失した ― 「長州史観」では、このように説明される。これは誤りである。
事実は次のようになる。
堀田正睦(佐倉藩主)と松平忠固(上田藩主)と . . . 本文を読む
松陰と晋作の後継者たちは、彼らの生き方に学ぶことなく、松陰の思想の誤った部分を肥大化させ「長州=靖国史観」を創り上げた。これは明確に害悪なのだ。
長州藩閥末裔の安倍晋三首相が、日本国憲法を「アメリカに押し付けられた憲法」と呼び、日本人の自主性にまったく依拠していない、憲法のイロハも分かっていない自民党改憲案を「自主憲法」と誇らしげに礼賛するあたりが、長州史観の害悪を明確に物語っている。
安倍首相個人の人柄は、とても善良で純粋な方だと思う。そして尊敬する祖父・岸信介元首相と父・安倍晋太郎氏が果たせなかった「自主憲法制定」の夢を自分でかなえようと、純粋な信念で動いておられるのだと思う。それだけに、その行動の大本にある「長州史観」の誤りを問題にする必要性は高いと思うのだ。
. . . 本文を読む