台湾の日刊紙『自由時報(ザ・リバティ・タイムス)』が中国四川省の相次ぐ大地震は三峡ダム建設の結果生じた可能性があると報道している。詳しくは、下記、「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」のサイトを参照されたい。
http://yambasaitama.blog38.fc2.com/blog-entry-2305.html
事実とすれば中国政府は本当に罪深いことをしたものである。三峡ダムと四川地震の科学的な因果関係を立証するのは難しいのであろうが、同様に、5年で二回も発生するという異常な頻度の地震が三峡ダムによって誘発されたものではないと科学的に断定することもできないだろう。中国の地震学者の中にも、「ダム建設が地震を引き起こす可能性はある」とする研究者がいるという。
三峡ダムが地震に影響を与えないと断定できない以上、本来であれば予想されるリスクを未然に回避するという予防原則に基づいて、三峡ダムを建設すべきではなかった。
今からでも遅くない。三峡ダムは撤去すべきである。
八ッ場ダム建設に関しても、市民からのパブリックコメントの中には「ダムへの貯水により大規模地震が誘発されるのではないか」と懸念する声が上がっていた。
それに対する国交省・関東地整の回答は、以下のようなものである。
下記サイトの15ページより関東地整の見解を引用。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000078002.pdf
これに関しても、国交省がそのように勝手に「承知」しているだけで、誘発地震が発生しないと明確に立証することはできていない。このような薄弱な論拠で、かりに誘発地震が発生しても、「想定外」と言い逃れるつもりだろう。実際には単に、「想定したくなかった」だけなのである。
ちなみに八ッ場ダムの総貯水量は1億750万m3で、満水時には水深も35mとなり、決して、誘発地震が報告されたケースに引けをとらない大きさなのだ。
しかも八ッ場ダムは、ダム湖の周囲に、浅間山、草津白根山、榛名山と火山だらけであるため、誘発地震のみならず、誘発火山噴火の可能性もあると思う。
余計なリスクを背負いこむべきではない。予防原則に基づいて、八ッ場ダムは造るべきではない。
私が利根川・江戸川有識者会議の委員を務めているあいだ、ダム建設の根拠となっている国交省の洪水計算が事実無根の虚偽であることを主張し続けてきた(八ッ場ダムのみならず、全国のダム計画の計算があまねく虚偽である)。それに対して、虫明功臣委員は「想定外は許されない」という発言をし、「たとえ洪水計算が過大になっていたとしても(虫明委員は計算が間違っている可能性を確かに認めておられた)、想定外を防ぐという観点からは過大に計算されることは良いことである」という趣旨の発言を行っていた。
ダムは想定外の洪水に対しては、緊急放流によって対処せざるを得ないので、かえって被害を拡大させる可能性がある。想定外が許されないのなら、想定外の際には被害を拡大するダムなど造ってはならない。
誘発地すべり、誘発地震、誘発火山噴火、巨大地震時のダム決壊・・・・多くの人命にかかわる大問題を、多くの人々が想定しているのに、国交省は全く想定しようともしない。聞いてみれば、地震を誘発しないと断言できる根拠など何もない。彼らは単に、「想定したくない」だけである。
ダムを造る目的に沿って想定したい災害は事実を捻じ曲げてでも強引に想定するが、ダムを造るために想定したくない災害は、これまた事実を捻じ曲げて考えないようにしているだけなのである。
http://yambasaitama.blog38.fc2.com/blog-entry-2305.html
事実とすれば中国政府は本当に罪深いことをしたものである。三峡ダムと四川地震の科学的な因果関係を立証するのは難しいのであろうが、同様に、5年で二回も発生するという異常な頻度の地震が三峡ダムによって誘発されたものではないと科学的に断定することもできないだろう。中国の地震学者の中にも、「ダム建設が地震を引き起こす可能性はある」とする研究者がいるという。
三峡ダムが地震に影響を与えないと断定できない以上、本来であれば予想されるリスクを未然に回避するという予防原則に基づいて、三峡ダムを建設すべきではなかった。
今からでも遅くない。三峡ダムは撤去すべきである。
八ッ場ダム建設に関しても、市民からのパブリックコメントの中には「ダムへの貯水により大規模地震が誘発されるのではないか」と懸念する声が上がっていた。
それに対する国交省・関東地整の回答は、以下のようなものである。
下記サイトの15ページより関東地整の見解を引用。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000078002.pdf
「これまでに被害を生じるようないわゆる誘発地震と考えられると報告された例は、水深が100m以上で、かつ貯水容量が10億トン級以上の非常に大きな海外のダムの事例であり、日本国内では、そのような大きなダムはなく、ダムの貯水と地震の発生の因果関係が明確に確認されていないと承知しています」
これに関しても、国交省がそのように勝手に「承知」しているだけで、誘発地震が発生しないと明確に立証することはできていない。このような薄弱な論拠で、かりに誘発地震が発生しても、「想定外」と言い逃れるつもりだろう。実際には単に、「想定したくなかった」だけなのである。
ちなみに八ッ場ダムの総貯水量は1億750万m3で、満水時には水深も35mとなり、決して、誘発地震が報告されたケースに引けをとらない大きさなのだ。
しかも八ッ場ダムは、ダム湖の周囲に、浅間山、草津白根山、榛名山と火山だらけであるため、誘発地震のみならず、誘発火山噴火の可能性もあると思う。
余計なリスクを背負いこむべきではない。予防原則に基づいて、八ッ場ダムは造るべきではない。
私が利根川・江戸川有識者会議の委員を務めているあいだ、ダム建設の根拠となっている国交省の洪水計算が事実無根の虚偽であることを主張し続けてきた(八ッ場ダムのみならず、全国のダム計画の計算があまねく虚偽である)。それに対して、虫明功臣委員は「想定外は許されない」という発言をし、「たとえ洪水計算が過大になっていたとしても(虫明委員は計算が間違っている可能性を確かに認めておられた)、想定外を防ぐという観点からは過大に計算されることは良いことである」という趣旨の発言を行っていた。
ダムは想定外の洪水に対しては、緊急放流によって対処せざるを得ないので、かえって被害を拡大させる可能性がある。想定外が許されないのなら、想定外の際には被害を拡大するダムなど造ってはならない。
誘発地すべり、誘発地震、誘発火山噴火、巨大地震時のダム決壊・・・・多くの人命にかかわる大問題を、多くの人々が想定しているのに、国交省は全く想定しようともしない。聞いてみれば、地震を誘発しないと断言できる根拠など何もない。彼らは単に、「想定したくない」だけである。
ダムを造る目的に沿って想定したい災害は事実を捻じ曲げてでも強引に想定するが、ダムを造るために想定したくない災害は、これまた事実を捻じ曲げて考えないようにしているだけなのである。
しかし本来、批判に対する反証の責任が、事業を進める側にあるのではないか?
私が大学に入学した1980年来後半から、こうした仮説-反証の非対称性を悪用し、反証の責任を一方的に告発側に負わせることで、政策的な環境破壊が正当化されてきました。これを法曹界からひっくり返していくことは可能でしょうか?
八ッ場ダム裁判の事例は、もっとひどいです。
住民の側は、国の治水・利水の計算が虚構であることを完璧に立証しましたが、都の側は反証責任を放棄しました。それなのに、裁判所は、「(住民の主張が妥当と)認められる余地があるとしても、これが明白であるとは認められない」として、行政に勝たせました。
行政は、反証を放棄したのですから、裁判所は行政が間違っている可能性を認めざるを得ないのですが、「それでも100%行政の誤りが明白とまではいえないので、行政の勝ち」という判断です。
こんな判断を下されたら、もう何もできなくなります。まともな科学論争は成立しません。
法曹界は腐っています。末期的です。
ダムによって励起された地震は多く認められており、インドのコイナダムで1963年M=6.3の地震が起こり死者200人を出したのが典型例とされていますが、ダム湖に隣接した場所で起きています。湛水域からも遠い場所での地殻内の応力変化はまったく考えられません。
通常ダム地震は湛水開始直後から始まり、水位が最高位に達したあたりで多く発生し、その後は減っていくものです。
この記事を検索したら、嫌中バカの中国叩きか、ダム反対派でもカルトじみたサイトばかりがヒットして辟易します。
ダム建設反対派に言いたいのは、八ツ場ダムは今までの日本のダムと比べて特段に大きいものではなく(同じ利根川には八木沢ダムという八ツ場の倍の規模のダムもある)、このダムにだけ地震の可能性を強調するのはあまりに無理があるということです。
また嫌中バカには、「ナイル川には湛水距離が300kmに達するダムがあるのだが、こちらには何も言わないのか?」と言ってやりたいです。
要は「船に何匹ハエがたかったら沈むか?」ということです。そりゃ何百億匹もたかれば、ある一匹を閾値にして沈むでしょうが、今回はその「一匹」が関与するにも程遠い状況なのですよ。
>このダムにだけ地震の可能性を強調するのはあまりに無理があるということです。
他のダムも当然地震を誘発する可能性があると思います。私は「このダムにだけ地震の可能性を強調」するようなことは一言も述べていないのですが・・・・。
ただ、八ッ場ダムは、2万4000年前の浅間山噴火で形成された応桑岩屑なだれ層の上に建設されますので、他のダムに比べて、きわめて地質が脆弱な場所です。その分、災害を誘発する可能性も高くなってしまうことは当然に危惧されます。
報道で大袈裟に紹介され、その後研究手法に問題ありとされて否定された説は山ほどあります。しかし報道はそんなことは知らしめません。あくまでも人目に触れるのは第一報のみです。
報道機関の傾向だけでものを言うのは危険ではありますが、あえて言わせてもらえば自由時報は台湾独立派中心の急進左派色の強い新聞で、中国本土についてはかなり脚色された記事を書いています。
もうひとつ、ダム地震説をおおっぴらに取り上げているのは大紀元で、こちらも反政府色の強い、しかし科学者などからは「カルトじみている」との評価も受けている組織です。
バカとかカルトというのは言葉の表現方法に過ぎません。
福島原発事故以降、どれほどの「反原発を語った非科学集団」の妄想が多くの人を混乱に陥れているかを思えば、カルトと呼んで何が悪いのか、と言わせてもらいますよ。同様に嫌中バカも、反中国の記事ならば、どんなヨタ話も鵜呑みにします。そんな連中を同じ科学の場の論議に加えるととんでもないことになります。
>私は、そういう可能性を指摘する人がいるという報道を紹介したのみです。
それは違うでしょう。貴方の記事の後半分は明らかに貴方自身の意見を述べています。
こういうことは述べる側に立証責任があります。貴方が自説を述べるのならその説を補強する根拠を提示してください。また貴方の述べる説に対する反論も当然あることは受忍すべきです。
なお私が断言したのは「三峡ダムと四川地震の因果関係」ですが、これについては撤回するつもりはまったくありません。
前半部分は自由時報の記事の紹介です。
後半部分は、八ッ場ダムが誘発地震を引き起こす可能性があるという話で、これは私の意見です。私も、この意見は撤回するつもりはありません。
三峡ダムと四川地震の因果関係に関しては私には分かりません。しかし、三峡ダムが地震を誘発する可能性のあるダムだという点は否定できません。