昨日(2月21日)利根川・江戸川有識者会議に出席した。
議題は「利根川・江戸川河川整備計画(原案)」について。今後30年の利根川と江戸川の整備計画の原案である。まだ原案なので、今なら修正は可能だ。
会議の中で、野呂法夫委員(東京新聞特報部)は、「ついに絶滅危惧種となってしまったウナギをどうやって復活させたらよいのか、具体案がまるで書かれていない。こんなことでよいのか」という問題点を指摘された。
利根川・江戸川河川整備計画(案)を見て欲しい。下記サイト。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000072612.pdf
この3~4頁には以下のように書かれている。
「また、(利根川)河口堰下流の汽水域のヨシ原や高水敷ではヒヌマイトトンボ、キイロホソゴミムシ等が生息するとともに、水域ではマルタ、ニホンウナギ、シラウオ等の回遊魚やスズキ、ボラ等が生息し、干潟にはエドハゼやヤマトシジミ等が生息する」
ニホンウナギは「生息する」としか書かれていない。江戸川に関しても同様に「生息する」という事実のみが書かれている。本文の中で、ウナギに関する記述はこれのみである。
「生息する」という認識で、「絶滅危惧種である」という認識もないため、何ら対策をとる必要もないということになるわけだ。ゆえに本文にはウナギなどの棲息環境を回復させるための対策措置についての記述は皆無である。
会議の終了後、傍聴に来ていた方々と話していたところ、「これじゃ、利根川ウナギ絶滅計画だ」という声が聞こえてきた。同感。この現状認識のままで今後30年間も突っ走られたら、本当に利根川と江戸川のウナギは絶滅してしまいそうである。
おそらく国交省・関東地整は、この河川整備計画(原案)とほとんど相違のないものを最終版として提出してくると思われる。私も委員として精一杯意見は述べたが、ほぼ全て聞き捨てにされるだろう。
昨日(2月21日の)利根川・江戸川有識者会議は、十分な議論もなされていないのに、「ご意見は十分に拝聴しました。今後の対応は整備局が検討します」と、閉会が宣言された。次回の会議が行われるのかも明言されず、会議自体を打ち切って今後開かない可能性もある。
あと私たちにできることは、パブリックコメントしか残されていない。パブコメの締切は3月2日まで。ウナギなど生物多様性の回復策が不十分という点のみならず、八ッ場ダムも、スーパー堤防も、整備計画(原案)の問題点は山のようにある。
パブコメを出して、みなの声を伝えよう。今その声は国政には届かなくても、後世の人々のために記録として残そう。いつの日か、日本の官僚独裁体制が崩壊したとき、その声はきっと活かされる日がくるだろうから。
*******
というわけでパブコメ提出について。
詳細は、国交省の下記ページにあります。
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000212.html
ちなみに、国交省は当初パブコメ送付先のメールアドレスをtone-plan3@ktr.milt.go.jp と書いていました。正しくはtone-plan3@ktr.mlit.go.jpです。国交省がミスをしていたとのことです。
しかし、これは本当にミスかかなり怪しいです、パブコメの総数を減らすため(=市民の意見を聞かないため)の意図的な操作の可能性すらあり得ます。「信じられない」と思う方もおられるでしょうが、私は「信じられない」ことが次々に起こるのを見てきてしまったので、非常に疑り深くなってしまいました。皆さん、念のためにメールが届いたかどうか電話で確認しましょう。
私の知人は公聴会に申し込んだところ、国交省がウェブ上にメールアドレスを間違えて載せていたために、申込みが届いておらず、あとで電話で確認をしたために受付を認められたそうです。つまり電話で確認しなかったら、危うく公聴会に参加できなかったところだったのです。
おそらく他にも、国交省がアドレスを間違えていたために届いておらず、公聴会で発言できなくなっている方はいるものを思われます。公聴会に申し込んだ方々、ご確認を!
ちなみに、市民で構成される利根川流域市民委員会が掲げる整備計画(原案)の問題点は下記のようになっています。ご参考まで。
http://tonegawashimin.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-b32f.html
議題は「利根川・江戸川河川整備計画(原案)」について。今後30年の利根川と江戸川の整備計画の原案である。まだ原案なので、今なら修正は可能だ。
会議の中で、野呂法夫委員(東京新聞特報部)は、「ついに絶滅危惧種となってしまったウナギをどうやって復活させたらよいのか、具体案がまるで書かれていない。こんなことでよいのか」という問題点を指摘された。
利根川・江戸川河川整備計画(案)を見て欲しい。下記サイト。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000072612.pdf
この3~4頁には以下のように書かれている。
「また、(利根川)河口堰下流の汽水域のヨシ原や高水敷ではヒヌマイトトンボ、キイロホソゴミムシ等が生息するとともに、水域ではマルタ、ニホンウナギ、シラウオ等の回遊魚やスズキ、ボラ等が生息し、干潟にはエドハゼやヤマトシジミ等が生息する」
ニホンウナギは「生息する」としか書かれていない。江戸川に関しても同様に「生息する」という事実のみが書かれている。本文の中で、ウナギに関する記述はこれのみである。
「生息する」という認識で、「絶滅危惧種である」という認識もないため、何ら対策をとる必要もないということになるわけだ。ゆえに本文にはウナギなどの棲息環境を回復させるための対策措置についての記述は皆無である。
会議の終了後、傍聴に来ていた方々と話していたところ、「これじゃ、利根川ウナギ絶滅計画だ」という声が聞こえてきた。同感。この現状認識のままで今後30年間も突っ走られたら、本当に利根川と江戸川のウナギは絶滅してしまいそうである。
おそらく国交省・関東地整は、この河川整備計画(原案)とほとんど相違のないものを最終版として提出してくると思われる。私も委員として精一杯意見は述べたが、ほぼ全て聞き捨てにされるだろう。
昨日(2月21日の)利根川・江戸川有識者会議は、十分な議論もなされていないのに、「ご意見は十分に拝聴しました。今後の対応は整備局が検討します」と、閉会が宣言された。次回の会議が行われるのかも明言されず、会議自体を打ち切って今後開かない可能性もある。
あと私たちにできることは、パブリックコメントしか残されていない。パブコメの締切は3月2日まで。ウナギなど生物多様性の回復策が不十分という点のみならず、八ッ場ダムも、スーパー堤防も、整備計画(原案)の問題点は山のようにある。
パブコメを出して、みなの声を伝えよう。今その声は国政には届かなくても、後世の人々のために記録として残そう。いつの日か、日本の官僚独裁体制が崩壊したとき、その声はきっと活かされる日がくるだろうから。
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というわけでパブコメ提出について。
詳細は、国交省の下記ページにあります。
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000212.html
ちなみに、国交省は当初パブコメ送付先のメールアドレスをtone-plan3@ktr.milt.go.jp と書いていました。正しくはtone-plan3@ktr.mlit.go.jpです。国交省がミスをしていたとのことです。
しかし、これは本当にミスかかなり怪しいです、パブコメの総数を減らすため(=市民の意見を聞かないため)の意図的な操作の可能性すらあり得ます。「信じられない」と思う方もおられるでしょうが、私は「信じられない」ことが次々に起こるのを見てきてしまったので、非常に疑り深くなってしまいました。皆さん、念のためにメールが届いたかどうか電話で確認しましょう。
私の知人は公聴会に申し込んだところ、国交省がウェブ上にメールアドレスを間違えて載せていたために、申込みが届いておらず、あとで電話で確認をしたために受付を認められたそうです。つまり電話で確認しなかったら、危うく公聴会に参加できなかったところだったのです。
おそらく他にも、国交省がアドレスを間違えていたために届いておらず、公聴会で発言できなくなっている方はいるものを思われます。公聴会に申し込んだ方々、ご確認を!
ちなみに、市民で構成される利根川流域市民委員会が掲げる整備計画(原案)の問題点は下記のようになっています。ご参考まで。
http://tonegawashimin.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-b32f.html
ウナギは他の魚に比べると遡上能力が高く、瀧でも湿った地面の上でも這い上がっていくことができるのですが、さすがにダムは上るのが困難です。また、隙間を這い上がるように上るのは得意でも、急流を遡るのはあまり得意ではありません。瀧を登るときには、ほとんど水がない緩い斜面を探して登っていきます。
すると、「ウナギの眼」で川の遡上/降下の容易さを検討するとともに、ウナギの餌となる小魚や甲殻類の豊富な川に回復していくことが重要ということになります。
尤もウナギについては、シラスウナギが遡上してくる海岸環境の悪化とシラスウナギの乱獲の方がより大きな問題なのですが。