「原発はあの巨大地震の揺れに耐えた、あとは津波対策だけしっかりすれば・・・・」という経団連や経産省や御用学者たちの希望的観測(あるいは意図的なウソ)はもろくも打ち砕かれた。共同通信の本日付け記事より引用。
******5月15日共同通信より引用*******
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051401000953.html
(前略)
東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。
第1原発の事故で東電と経済産業省原子力安全・保安院はこれまで、原子炉は揺れに耐えたが、想定外の大きさの津波に襲われたことで電源が失われ、爆発事故に至ったとの見方を示していた。
地震による重要設備への被害がなかったことを前提に、第1原発の事故後、各地の原発では予備電源確保や防波堤設置など津波対策を強化する動きが広がっているが、原発の耐震指針についても再検討を迫られそうだ。
(後略)
********引用終わり********
私たちはこれまで「想定外の津波 → 電源喪失 → 冷却不能 → 炉心損傷・・・」というような解説を幾度も聞かされ、信じ込まされようとしてきた。その説明で国民に刷り込まされようとしていたシナリオは、「あの想定外の津波じゃ仕方ないよね。津波対策さえしっかりすれば、まだまだ原発はいける・・・」というものであった。
これがウソであったことが明らかになりつつある。おそらく東電はこの事実をもっと早くから知っていたはずだ。しかし隠していたのだろう。ほとぼりが冷めたころを見計らって情報が少しづつ出てきたというのが実態ではないのだろうか。といっても、これはまだ「東電関係者」の個人的見解で、公式見解ではない。このまま報道が下火になって、ウヤムヤにされていく可能性もある。そうならないよう、皆でしっかりと声をあげて追及しよう!
元外務官僚の孫崎享さんのツイッターには「1号機早期故障で『津波ではなく地震で圧力計器、配管等の損傷であること』すぐにわかったはず。それをあたかも津波と説明。地震故障であれば、全原発に波及。それで津波とし津波対策で切り抜け図る。ある意味卑劣」と書かれていた。まったく同感である。
3月11日に福島第一原発付近で発生した震度6強の揺れなど、日本列島ではいつどこでも起こり得る。「1000年に1度の確率」どころではない。数年に1度程度の確率だ。とくに東海地方では、それより強い振動が明日来てもおかしくない。
つまり「津波対策」などしたところで、浜岡原発は決して再稼働してはいけないのである。永久廃炉の決断をすぐにすべきである。もちろん浜岡以外の原発も、危険性が高い場所から後に続かねばならない。津波による電源喪失が起きないような対策ができたとしても、振動による配管破損と冷却材喪失は発生し得るからである。
実際、信頼できる専門家は震災直後から、1号機では津波以前に地震動による配管損傷などによる冷却材喪失に至っていたのではないか、と指摘していた。しかし、テレビに出てくる御用学者たちはそうは発言していなかった。国民は騙されていたと言ってよいだろう。
たとえば岩波『世界』の先月号(5月号)で田中三彦氏は以下のように書いていた。田中氏の以下の指摘は、情報が隠されていた政治的な意図も含めて、正しかったのであろう。また、このような指摘をする技術者・学者がいたればこそ、東電もウソをつき続けられなくなってきたのだろう。田中氏に敬意を表したい。
*****田中三彦「福島第一原発事故はけっして「想定外」ではない」
『世界』5月号135~136頁より引用*****
(前略)
結論から記せば、地震発生直後、1号機では地震時の揺れ(地震動)によってなにがしかの配管に中規模の破損または大規模の破損が生じ、そのため原発事故ではもっとも恐れられている ―しかし技術的見地からは起こるとは考えられていない、それゆえ「仮想事故」というラベル付けがなされている― 「冷却材喪失事故」が起きたのではないかと、私は思っている。それは私がいま手にできる限られたデータからの推測ではあるが、それらのデータは1号機で冷却材喪失事故が起きたことを強く示唆している
(中略)
もしそういうことであるなら、福島原発大事故は大津波という「想定外」の自然現象によってもたらされた例外的事故、とすることはできなくなり、問題は他の原発の耐震安全性の問題へと波及する。
たぶん、はやばやとそれを十分に意識していたのだろう。原子力安全・保安院の説明にも、連日NHKや民放のテレビに登場する原発推進派御用学者たちの解説の中にも、「冷却材喪失事故」という言葉は、私が知る限りこれまでいっさい登場していない。
(後略)
****引用終わり*********
******5月15日共同通信より引用*******
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051401000953.html
(前略)
東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。
第1原発の事故で東電と経済産業省原子力安全・保安院はこれまで、原子炉は揺れに耐えたが、想定外の大きさの津波に襲われたことで電源が失われ、爆発事故に至ったとの見方を示していた。
地震による重要設備への被害がなかったことを前提に、第1原発の事故後、各地の原発では予備電源確保や防波堤設置など津波対策を強化する動きが広がっているが、原発の耐震指針についても再検討を迫られそうだ。
(後略)
********引用終わり********
私たちはこれまで「想定外の津波 → 電源喪失 → 冷却不能 → 炉心損傷・・・」というような解説を幾度も聞かされ、信じ込まされようとしてきた。その説明で国民に刷り込まされようとしていたシナリオは、「あの想定外の津波じゃ仕方ないよね。津波対策さえしっかりすれば、まだまだ原発はいける・・・」というものであった。
これがウソであったことが明らかになりつつある。おそらく東電はこの事実をもっと早くから知っていたはずだ。しかし隠していたのだろう。ほとぼりが冷めたころを見計らって情報が少しづつ出てきたというのが実態ではないのだろうか。といっても、これはまだ「東電関係者」の個人的見解で、公式見解ではない。このまま報道が下火になって、ウヤムヤにされていく可能性もある。そうならないよう、皆でしっかりと声をあげて追及しよう!
元外務官僚の孫崎享さんのツイッターには「1号機早期故障で『津波ではなく地震で圧力計器、配管等の損傷であること』すぐにわかったはず。それをあたかも津波と説明。地震故障であれば、全原発に波及。それで津波とし津波対策で切り抜け図る。ある意味卑劣」と書かれていた。まったく同感である。
3月11日に福島第一原発付近で発生した震度6強の揺れなど、日本列島ではいつどこでも起こり得る。「1000年に1度の確率」どころではない。数年に1度程度の確率だ。とくに東海地方では、それより強い振動が明日来てもおかしくない。
つまり「津波対策」などしたところで、浜岡原発は決して再稼働してはいけないのである。永久廃炉の決断をすぐにすべきである。もちろん浜岡以外の原発も、危険性が高い場所から後に続かねばならない。津波による電源喪失が起きないような対策ができたとしても、振動による配管破損と冷却材喪失は発生し得るからである。
実際、信頼できる専門家は震災直後から、1号機では津波以前に地震動による配管損傷などによる冷却材喪失に至っていたのではないか、と指摘していた。しかし、テレビに出てくる御用学者たちはそうは発言していなかった。国民は騙されていたと言ってよいだろう。
たとえば岩波『世界』の先月号(5月号)で田中三彦氏は以下のように書いていた。田中氏の以下の指摘は、情報が隠されていた政治的な意図も含めて、正しかったのであろう。また、このような指摘をする技術者・学者がいたればこそ、東電もウソをつき続けられなくなってきたのだろう。田中氏に敬意を表したい。
*****田中三彦「福島第一原発事故はけっして「想定外」ではない」
『世界』5月号135~136頁より引用*****
(前略)
結論から記せば、地震発生直後、1号機では地震時の揺れ(地震動)によってなにがしかの配管に中規模の破損または大規模の破損が生じ、そのため原発事故ではもっとも恐れられている ―しかし技術的見地からは起こるとは考えられていない、それゆえ「仮想事故」というラベル付けがなされている― 「冷却材喪失事故」が起きたのではないかと、私は思っている。それは私がいま手にできる限られたデータからの推測ではあるが、それらのデータは1号機で冷却材喪失事故が起きたことを強く示唆している
(中略)
もしそういうことであるなら、福島原発大事故は大津波という「想定外」の自然現象によってもたらされた例外的事故、とすることはできなくなり、問題は他の原発の耐震安全性の問題へと波及する。
たぶん、はやばやとそれを十分に意識していたのだろう。原子力安全・保安院の説明にも、連日NHKや民放のテレビに登場する原発推進派御用学者たちの解説の中にも、「冷却材喪失事故」という言葉は、私が知る限りこれまでいっさい登場していない。
(後略)
****引用終わり*********
このような「炉内部の機械的損傷」との見解が出ることが、原子炉産業の斜陽を決定付けそうですね。
私も大学時代は、ちょっとは放射線関係の講義を齧ったクチですが、怖くてその世界に入りませんでした(求人はあったのですが)
毀誉褒貶は激しい人ですが、原子力工学科を出ている大前研一氏も、結局「逃げだした」(というとかわいそうだけど)クチで、はっきり原子力産業を斜陽と認めています。
経験者ほど避けたがる……そんな危険な産業だったのを知っていながら、
なぜプラントとしての不可能性を、事故が実際に起きるまでいえなかったのだろうか、
本当に悔いが残ります。
>なぜプラントとしての不可能性を、事故が実際に起きるまでいえなかったのだろうか、
柏崎刈羽の事故のあと、デルタさんも盛んに原発の危険性をブログに書いてましたね。中越地震の後、もう少し真剣な議論がなされていたら・・・と悔しがっても後の祭りですね。
経産省、経団連、マスコミは言うに及ばず、私自身も、そして全ての国民が猛省せねばならないと思います。
実際には配管が破断して無い事は作業員やモニタリングで確認しておりますから。
結局、今回の事故が終息して実際に現地の詳細な調査が済まないと何とも言えないと思います。
配管に異常が無かったことを確認したなんて、東電の発表でも心当たりがありませんが、出典は何でしょうか?
<地震動による配管の損傷→冷却水漏れ>という可能性がないとすると、なぜ11日の晩の早くから1号機のメルトダウンが始まったという事実をどうやって説明できるのでしょうか??
この問題、当然マスコミが追及すべきなのですが・・・。さすがに東京新聞特報部は昨日、地震動による配管損傷の可能性を検討していました。ほかの新聞は相変わらずダメですねー (*_*)