全国放送ではじめて赤松小三郎が紹介される件

　長いあいだブログを放置しておりました。すいません。
　来年度の大河ドラマ「西郷どん」の放映にあわせ、新春には薩摩特集の番組が多く放映されます。ＮＨＫ・ＢＳの「英雄たちの選択」でも新春スペシャル「幕末ヒーロー列伝 これが薩摩藩の底力だ！」が放映されます。
　http://www4.nhk.or.jp/heroes/


　２時間スペシャルの最後の方で（ラスト20分ほど）、赤松小三郎も紹介されます。薩摩が赤松小三郎を招請し、藩士に英国式兵学を教授し、当事としてはもっとも先進的で体系的な議会政治の統治機構についても教育していたことなどが紹介される予定です。赤松小三郎の研究をしているということで私のところにも取材がきましたので、インタビューに答える形で私もちょこっと出る予定です。

　全国放送で赤松小三郎が紹介された事例はこれまでにありません（信州ローカル放送ではあり）。衛星放送ですが、全国放送で紹介されるのはこれが初。150年前に暗殺されてから徹底的に歴史から消されてきた赤松小三郎。この番組の放映そのものが歴史的出来事といえそうです。
　
　赤松小三郎のことを知ると、びっくりして、これまでの明治維新理解はおかしいのではないかと考える方が多いようです。
　最近、12月25日の東京新聞の読者投稿欄に寄せられていた意見を二つ紹介します。東京新聞が12月15日の夕刊文化欄で赤松小三郎を紹介する記事を掲載したところ、読者から「びっくりした」、「光を当てなければ、われわれはバチが当たる」といった反響が寄せられていました。

　『東京新聞』2017年12月25日朝刊　読者投稿欄より　　
　

　全国放送で赤松小三郎を取り上げるという決断をしたＮＨＫ「英雄たちの選択」のスタッフの皆様にも感謝を申し上げます。
　薩摩の先進性を取り上げる番組なので、その薩摩が教えを請うたほどの赤松小三郎の思想の先進性という文脈での紹介になると思われ、倒幕側の「闇」には踏み込まないと思われますが、おそらく視聴者のほとんどが知らないであろう小三郎の存在が紹介されること自体に、大きな意義があります。

　番組に出演する作家の桐野作人先生も歴史学者の岩下哲典先生も赤松小三郎の建白書に注目しておられるので、どのような議論が展開されるのか楽しみです。

　その岩下哲典先生の近著『東アジアの秩序を考える――歴史・経済・言語』（春風社）でも赤松小三郎の建白書を取り上げるそうです。私も予約注文しました。

https://www.amazon.co.jp/dp/4861105749