代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

安保法制の整備が終われば走狗煮らる

2014年12月25日 | 政治経済(日本)
 第三次安倍内閣発足。防衛相に中谷元氏を充て、集団的自衛権の行使を可能にするための関連法の成立を加速させるものとみられる。
 
 しかしながら首相に提案したい。政権を少しでも延命させたいと考えるのであれば、安保関連法の成立は急ぐべきではないと。 

 宗主国は、安倍首相の歴史認識に強い警戒感を抱いている。米中関係や米韓関係を重視するオバマ政権からすれば、日本は非常に困った存在になりはてている。にも関わらず安倍政権を延命させているのは、アフガニスタンだろうが、シリアだろうが、自衛隊が米軍に全面協力できる制度構築を行って欲しいと考えているからだ。

 対中関係が主要に念頭にある安倍首相に対して、宗主国の真の狙いは、対中ではなく中東地域等での自衛隊の活用である。それは日本がテロの標的にされるリスクを飛躍的に高めることになる。

 集団的自衛権をめぐる日米の思惑は同床異夢なのだ。

 米国にとって、安倍首相の存在意義は、集団的自衛権の行使を可能にする法整備なのであるから、その法整備が終わった途端に「用済み」とされるだろう。狡兎死して走狗煮らる。

 安倍首相にとって懸命な選択は、なるべく安保関連の法整備を難航させ、なるべく審議を遅延させることである。岸信介だったらそれぐらいの腹芸はできただろう。まだまだ祖父には及ばないようである。

 


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