代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

都知事選熟慮中

2014年01月15日 | 政治経済(日本)
 ネット上ではリベラル陣営が二つに割れて、東京都知事選で宇都宮けんじ候補を応援するのか細川護煕候補を応援するのか騒然とした論争になっているようだ。ちなみに私は前回は宇都宮さんに投票したし、ハガキも書いて応援もした。
 しかし「今回も自民党に勝たせれば日本の終わり」とまで危機感を募らせている多くの人々の憂慮に強く共感する。共産党は、その多くの人々の危機感に今度こそ真剣に耳を傾けて欲しい。

 といっても、まだ細川さんの公約が脱原発以外にどのようなものが出てくるのかわからないので、現時点では誰に投票するか決められない。脱原発以外はブラックな市場原理主義政策が目白押しだったりすれば、さすがに投票に躊躇する。今はまだ何とも言えない。

 細川さんの口から、築地移転反対、スーパー堤防反対・・・くらい出てくるだろうか? そのうちの一つでも出てきたら私は細川さんに投票する。スーパー堤防は国交省が計画する120kmを本当に実施したら総事業費10兆円を超え、完成までに300年ともいわれる。今止めなければ、利権のために税金を吸い込んでいく巨大なブラックホールとなっていく。

 脱原発と再生可能エネルギーを普及のためには、ムダな予算を止め、持てる力のすべてをそちらに注がねばならない。小泉さんには今度こそ正しい構造改革(硬直した縦割りの省庁が惰性で続ける不要なハコモノ建設を止め、再生可能エネルギーの開発と普及の予算に転用すること)を実施して欲しい。それを公約に掲げられれば私は投票したい。


PS スーパー堤防に関しては、雑誌の『選択』に下記の記事が掲載されていました。お恥ずかしながら私のコメントも引用されています。ご参照ください。 


****『選択』2013年12月2日号より一部引用*****
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131202-00010000-sentaku-pol&p=1
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131202-00010000-sentaku-pol&p=2

 国交省の審議会「利根川・江戸川有識者会議」において、関良基委員(拓殖大学准教授)はかつて、スーパー堤防についてこう質した。

「江戸川で二十二キロのスーパー堤防を作るには一兆円以上かかる。河川整備計画との整合性は全くない。限られた予算を最大限有効に使う手法を選ぶべきだ」

 八ッ場ダム建設の是非が世間の注目を集める中、下流の利根川、江戸川水系を含めた一体的な治水事業の在り方を議論したこの会議では、事前に国交省側が今後三十年にわたる同水系の河川整備計画として八千六百億円という事業予算を試算していた。にもかかわらず、江戸川の局所的なスーパー堤防事業だけで一兆円超を投じるという、あまりにばかけた事業計画に関准教授が切り込んだわけだ。しかし国交省の役人は「予算について話し合う場ではない」と議論を強引に打ち切った。

 息を吹き返したスーパー堤防事業は、一三年度予算だけでも全国で五事業に予算付けがされた。公共事業見直し派が再び盛り返し、計画中止に持ち込む可能性はもはやないのだろうか。
 
 
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2 コメント

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ワンフレーズ政治 (たんさいぼう影の会長)
2014-01-16 20:46:18
細川候補が脱原発についてどの程度深く考えているかはわかりませんが、大電力消費地、低電力自給率の東京都知事選で脱原発を訴えるのであれば、省電力対策と電力自給率の向上をセットで訴えなければ、ご都合主義にすぎないと思うのです。
その点、宇都宮候補は「原発に頼らない社会」を主張し、そのための具体策もいくつか提案していますので、もう少し期待できると思います。
桝添候補ですら、「地域が主体となる再生可能エネルギーの推進」という具体策をもっており、その点では傾聴に値します。
日本国内の全体としては、原発なしでも電力が足りることはもはや明らかです。しかし、東京の在り方を考えるならば、もう一歩進んだ議論が必要だと思うのです。
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脱原発と脱ワンフレーズ ()
2014-01-17 17:49:52
>東京の在り方を考えるならば、もう一歩進んだ議論が必要だと思うのです。

 細川陣営からどのような公約が出てくるのか拝聴したいと思います。公約が出てこない段階では、まだ何とも言えません。

>宇都宮候補は「原発に頼らない社会」を主張し、そのための具体策もいくつか提案しています

 願うならば細川陣営が、宇都宮陣営の具体策のいくつかを取り込む形で、候補者を一本化してほしいものです。
 小泉さんも、自分の責任でこれだけ日本に貧困層が増えたのだから、責任とって貧困対策を拡充する政策を訴えて欲しい。

 このブログ、小泉ワンフレーズ政治に反発して始めたのでした。この記事を書いている自分が信じられない気もしています、何とも皮肉なのものです。
 ただ、2005年の郵政解散選挙では、小泉ワンフレーズ戦術に負けたんですよね。
 彼の得意技はワンフレーズ攻撃なので選挙戦ではそれを活かしつつ、裏でブレーンたちに脱ワンフレーズな政策プランを練って欲しいものです。
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