天木直人さん、志は分かりますがメーワクです ー東京２１区の選挙事情

　東京21区（八王子（の東部）、立川、国立、日野、多摩（の北部）、稲城（の南部））がにわかに注目されている。昨晩は、安倍首相まで立川入りして街頭演説。ツイッターには「（立川に）国難来たる」とつぶやかれていた。
　東京２１区には、イラク戦争に抗議して外務省を辞めた天木直人さんが立候補を表明。安保・外交政策で２１区の長島昭久氏に論戦を挑むのだ」と鼻息荒い。

　天木さんのツイッターでは、「国民の皆さんに大和魂を見せて、共に日本を変革していく火を21区からつけていければと思います」とあった。「大和魂」「日本変革」って何か、吉田松陰みたいだな、と思ったら、天木さん長州の下関出身。やはり松陰以来の県民性・・・。長州人は右派も左派も精神論で玉砕突撃していく・・・・。

　しかし下関って、まさに安倍氏の地元の山口４区のど真ん中。どう考えても山口４区から立候補すべきなのでは。下関で、「これから長州男児の肝っ玉を見せてご覧に入れます」と叫べば、けっこう長州人の琴線に響いて票を奪えると思う。晋作を尊敬する安倍の晋ちゃんも焦るかも。
　ついでに言えば、東京２１区は新選組発祥の地なので、長州の革命家は嫌われますよ。
　
　孫崎享さんが、天木さんを応援して、「ある編集長「この区はもともとリベラル・左派が強い選挙区。長島昭久氏が当選していたのも、こうした左派地盤をバック。米国追随の長島氏がどうして民主党だったか不明だが、選挙民が彼の対米追随の本体を知れば彼の選挙は容易でない」とツイート。
　
　えー、孫崎さんともあろう方がこんなお花畑みたいな分析するなんて・・・。
　長島氏が、当選してきたのは、決して東京２１区の選挙民が、長島の外交・安保政策を知らないからでもなんでもない。２１区は製造業の工場が多いので、連合が強く、彼は連合の組織票で当選してきたというのが実態。
　しかし製造業の海外移転が進む中、連合の力も弱ってきて、長島さん、前回なんか比例復活でしか当選できなかった。（だから民進を離党した時点で彼は議員を辞めるべきだった）

　カミングアウトすると、私は東京２１区。
　２１区では、自民、ＣＳＩＳのエージェント、共産という三つの選択肢しか与えられていない中で、前二者だけはどうしても投票できないという人は、死票になろうが何だろうが、後者を選択をするしかないという状況でした。

　しかし今回は、共産党の田川さんが立候補を取りやめ、野党統一候補で、牧師さんで社民党の小糸健介さんに譲った。
　共産党の英断に拍手を送りたい。
　というのも今回の選挙、連合は長島を支援しない。だいたい労働組合が、ＣＳＩＳと武器商人と新自由主義の走狗を応援してきたなんて、冗談みたいな話でしかない。自分で自分の首絞めてるだけだから。
　
　連合が共産候補を応援する可能性は天地がひっくりかえってもないが、立憲民主や社民などの野党統一候補であれば、連合が支援に回る可能性がある。
　連合さえ長島の応援をしなければ、十分に勝てる可能性はある。共産党が涙を呑んで立候補を見送ったのは、その辺の深謀遠慮があるのでしょう。

　選挙民は上から目線の落下傘候補を嫌います。地元のことを知らずして勝てるわけがない。長島氏は、なんだかんだ地元の会合に熱心に出てるから、それで彼の外交・安保政策が嫌いでも、投票しちゃっている人が多いんです。
　天木さんが落下傘候補で降りてきて、市民がつくりあげてきた野党統一候補の票を奪うのは、２１区の選挙区民の目から見てすごく迷惑なのです。