来週からしばらく中国の貴州省の山中に雲隠れします。インターネットに接続できない山奥ですのでブログをしばらく休みます。3月下旬くらいからまたボチボチ何か書けると思います。
私は貴州省の山奥で、地方政府と地元農家の組織するNGOと協力しながら植林活動を支援するプロジェクトに関わっています。プロジェクトの対象地は、政府の「退耕還林」という植林政策を受けて、傾斜25度以上の急傾斜地に存在する農地を全て植林地に転換したという山村です。この村では、村の全農地のじつに8割が傾斜25度以上の斜面に存在しておりました。
村の全農地の8割を植林地に転換してしまったので、政府から植林にともなう補助金は受けているものの、長期的に生活は不安定化することが危惧されます。そこでマイクロクレジットで畜産業の振興を行なったり、植林地に経済性の高い茶樹や果樹などを導入したりといった、農業を代替する生業活動を、地元の人々とともに試行錯誤で探っているところです。
毛沢東による大躍進政策の悲劇以降、本来は開墾すべきでない急傾斜地が過剰に開墾されてしまったため、土壌流出と洪水被害が慢性化しました。現在の中国政府の政策はそれを再び林地に戻そうということです。しかし、既に耕している人々に農業を止めてもらわねばならないわけですから、これは大変な作業になるわけです。
また植林は、国の食糧安全保障とも関わる問題なので、本当に舵取りが難しいのです。90年代後半に豊作が続いて穀物が過剰になったので、中国政府は強気になって農地の林地転換を試みました。しかし数年で逆に穀物が足りなくなってしまって、いまでは農地の林地転換にブレーキをかけねばならなくなっています。本当にその舵取りは難しい。一ついえることは、農業も林業も市場原理になんか任せたらメチャクチャになるということですね。市場を利用しつつも、同時にそれを制御する政策も必要なわけです。
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<最近の政治情勢に関する雑感>
さて話しは変わりますが、日本の日々の政治ニュースはあまりのアホらしさで、この間、まったく論評する気になれませんでした。ようやく反小泉改革のノロシがあがったかと思ったら、民主党のあの騒ぎ。あきれ返って言葉を失っていました。前原さんも、小泉首相になんか同情されているようでは野党党首はつとまらないと思います。だって、小泉は憲法改正を睨んだ上で、前原さんに党首でいてもらった方が都合がいいと思って助け舟を出しているのですから・・・・。このままでは野党としての存在意義もなくなってしまいます。前原さんは潔く辞任すべきでしょう。
ついでに、これを機に民主党の中の市場原理大好き派の人々は自民党に移られた方がいいかと思います。一方で、自民党の中のケインズ派・格差是正派の方々は民主党に移るという形で、交換トレードをするのが良策かと存じます。そのような政界再編が起こると、私としては投票しやすくなるので嬉しく思う次第です。
だいたい、似たような政策を持つ二つの政党が政権交代をし合っても、私はそれを「民主主義」と呼びたくはありません。米国の二大政党制など、国民が政策を選べないという意味で、本当の民主主義ではないと思うのです。だって、どっちの政党も大企業から献金をもらって大企業本位の政治をやるのですから・・・。
あんなエセ民主主義になるくらいでしたら、たとえ政権交代は起こらずとも、かっての自民党と社会党の「一・五大政党制」の方がよかったと思う次第です。ハッキリと政策が違う政党同士が競い合って、野党によるチェック機能がちゃんと働いていたという点で、より民主的だったと思うのです。
しかも、日本の場合、自民党という政党が経済政策面では欧州における社民党に近い政策内容を持ち、日本社会党という政党は欧州でいうところの共産党に近い政策内容だったのですから・・・・。日本の55年体制とは「左派一・五大政党制」だったといえるかも知れません。
小泉自民党と前原民主党では、まさに米国並の「右派二大政党制」にしかなりそうにありません。二大政党制というのなら、経済政策を基準として、市場原理大好き政党と再分配重視派の政党にちゃんと分かれてくれないと、有権者は困ってしまうのです。
というわけで政界再編を熱望しつつ、しばらく更新をお休みします。
私は貴州省の山奥で、地方政府と地元農家の組織するNGOと協力しながら植林活動を支援するプロジェクトに関わっています。プロジェクトの対象地は、政府の「退耕還林」という植林政策を受けて、傾斜25度以上の急傾斜地に存在する農地を全て植林地に転換したという山村です。この村では、村の全農地のじつに8割が傾斜25度以上の斜面に存在しておりました。
村の全農地の8割を植林地に転換してしまったので、政府から植林にともなう補助金は受けているものの、長期的に生活は不安定化することが危惧されます。そこでマイクロクレジットで畜産業の振興を行なったり、植林地に経済性の高い茶樹や果樹などを導入したりといった、農業を代替する生業活動を、地元の人々とともに試行錯誤で探っているところです。
毛沢東による大躍進政策の悲劇以降、本来は開墾すべきでない急傾斜地が過剰に開墾されてしまったため、土壌流出と洪水被害が慢性化しました。現在の中国政府の政策はそれを再び林地に戻そうということです。しかし、既に耕している人々に農業を止めてもらわねばならないわけですから、これは大変な作業になるわけです。
また植林は、国の食糧安全保障とも関わる問題なので、本当に舵取りが難しいのです。90年代後半に豊作が続いて穀物が過剰になったので、中国政府は強気になって農地の林地転換を試みました。しかし数年で逆に穀物が足りなくなってしまって、いまでは農地の林地転換にブレーキをかけねばならなくなっています。本当にその舵取りは難しい。一ついえることは、農業も林業も市場原理になんか任せたらメチャクチャになるということですね。市場を利用しつつも、同時にそれを制御する政策も必要なわけです。
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<最近の政治情勢に関する雑感>
さて話しは変わりますが、日本の日々の政治ニュースはあまりのアホらしさで、この間、まったく論評する気になれませんでした。ようやく反小泉改革のノロシがあがったかと思ったら、民主党のあの騒ぎ。あきれ返って言葉を失っていました。前原さんも、小泉首相になんか同情されているようでは野党党首はつとまらないと思います。だって、小泉は憲法改正を睨んだ上で、前原さんに党首でいてもらった方が都合がいいと思って助け舟を出しているのですから・・・・。このままでは野党としての存在意義もなくなってしまいます。前原さんは潔く辞任すべきでしょう。
ついでに、これを機に民主党の中の市場原理大好き派の人々は自民党に移られた方がいいかと思います。一方で、自民党の中のケインズ派・格差是正派の方々は民主党に移るという形で、交換トレードをするのが良策かと存じます。そのような政界再編が起こると、私としては投票しやすくなるので嬉しく思う次第です。
だいたい、似たような政策を持つ二つの政党が政権交代をし合っても、私はそれを「民主主義」と呼びたくはありません。米国の二大政党制など、国民が政策を選べないという意味で、本当の民主主義ではないと思うのです。だって、どっちの政党も大企業から献金をもらって大企業本位の政治をやるのですから・・・。
あんなエセ民主主義になるくらいでしたら、たとえ政権交代は起こらずとも、かっての自民党と社会党の「一・五大政党制」の方がよかったと思う次第です。ハッキリと政策が違う政党同士が競い合って、野党によるチェック機能がちゃんと働いていたという点で、より民主的だったと思うのです。
しかも、日本の場合、自民党という政党が経済政策面では欧州における社民党に近い政策内容を持ち、日本社会党という政党は欧州でいうところの共産党に近い政策内容だったのですから・・・・。日本の55年体制とは「左派一・五大政党制」だったといえるかも知れません。
小泉自民党と前原民主党では、まさに米国並の「右派二大政党制」にしかなりそうにありません。二大政党制というのなら、経済政策を基準として、市場原理大好き政党と再分配重視派の政党にちゃんと分かれてくれないと、有権者は困ってしまうのです。
というわけで政界再編を熱望しつつ、しばらく更新をお休みします。
地元の方々の生活が絡んだ問題。災害、食糧安全保障、そして環境にも絡む問題。
専門分化されたひとつひとつの事柄が、自身に及ぶということに普段は気付いておりませんが、こうして教えて頂くと、なんというか驚くばかりです。
とにかく、ご活躍を期待します。
政治情勢へのご雑感、全く同感です。
双方に「入党試験」を受ける人間がいることがいかにおかしいことか、まずは本人たちに気付いてほしいものです。