代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

捏造資料そのままで議論打ち切り??

2012年10月30日 | 利根川・江戸川有識者会議
 利根川・江戸川の有識者会議に関して、昨日、関東地整からメールがあり、「関東地方整備局といたしましては、第5回から第7回までの会議において概ねご意見は出揃ったものと考えております」とのことでした。その上で、もし追加で意見があるようだったら11月1日の木曜日までに書面で提出するようにとのことでした。毎日、授業で追われて意見書書く時間も十分に取れないのですが、それを見越したように中二日で文書を提出せよとの仰せです。

 おそらく事前に書面で出させた上で、次回の会議で「河川管理者の見解」を述べ、八ッ場ダム建設の根拠となる1万7000㎥/秒という利根川の目標流量の議論を打ち切ろうということでしょう。

 目下、1万7000を正当化するために作られた資料が捏造と指摘され、ダム建設の目標流量の計算のプロセスにも間違いを指摘する意見が噴出している状態です。しかし所詮は「意見を聞くだけ」の儀式ですから、それらの意見を反映することはなく、捏造資料もそのままにするつもりなのでしょう。

 審議を継続するか否かは、有識者会議の独自性にゆだねられなければおかしいはずです。事務局である国交省が実質すべてを決めてしまっているというのは、利益相反の究極的な姿でしょう。推進機構とチェック機構は相互に独立していなければいけないはずなのですが、推進機構がそのチェック機能をすべてコントロールしているのです。民主主義の装いを施している分、あからさまな独裁体制よりも性質が悪いといえるかも知れません。
 
  住民参加を謳った改正河川法の理念も踏みにじり、方針転換できないまま惰性でダム建設を続けようとする国交省。優柔不断で決断できないまま、ズルズルと戦争に突入していった日本の過去の姿とダブります。
  


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