イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

繭の中では男1人

2009-04-06 21:21:49 | ニュース

土曜から報道されていた例のモノ、結局昨日(5日)正午前に“飛翔”して太平洋上に落下したようですが、夕方のニュースで見ると、秋田県・岩手県の自治体の職員さんたちはただでさえ忙しい年度替りに、週末返上でそれこそシンケンジャー並みにキリキリマイマイだった模様。秋田では「そんな空から飛んで来るヘンなものでアタシ死にたくないもん」と吼えているおばちゃんもいて、なのに国のトップは外遊中ってんだから、本当に日本ってのは国民を安心させない国ですね。

岩手と秋田だけがこんだけ厳戒態勢で、いくらも離れてない当地では昼間っから『探偵 左文字進』と『十津川警部パリ~東京殺人ルート』再放送で、水谷豊さんの女装や渡瀬恒彦さんの生え際観察の合い間に断続的に山村紅葉さんを見続けている、というのもヘンな話。

危ないのか、危なくないのか、失笑を買ったあの“誤探知”はキカイやシステムが精密デリケート過ぎるあまりの勇み足と百歩譲って、笑わないで許すとしても、危機管理だ情報精度のコントロールだウンヌン以前に、「この国って全土丸焼けになるまで確たること何も掴めないし流せないんじゃないのか」という気がしてきます。

従業員がいつものように朝、出社したらシャッター下りてて会社倒産してた、みたいなことになりはしないでしょうか。「昨日の晩、係長も課長も一緒に飲んだのに」「カラオケ腹踊りしたのに」みたいな。

ただ、国がそうなる場合、“朝”自体、来なかったりしますからね。課長にも、係長にも、誰にも。

さて斬り切り舞い舞いと言えば『侍戦隊シンケンジャー』、第8幕は“花嫁神隠(はなよめかみかくし)”。こういう時代劇のお約束路線は「来た来た」感があって嬉しいですね。

若い生娘をさらって舟に隠して売り飛ばす、あるいは陰のお偉いさんの慰みモノに献上する系のお話は市川雷蔵さんの『眠狂四郎』シリーズ辺りでもよく観た記憶が。これ系統のエピはそもそも、若い女優さん入り乱れての襦袢姿、肩肌脱ぎ、裾まくりフトモモちらりなど和風エロを盛り込むためのエクスキューズみたいなものなんですが、小さいお友達のためのスーパーヒーロータイムですからそっちはなく、代わりにピンク・茉子(高梨臨さん)のおとり花嫁姿と、お待たせしましたブルー・流ノ介さま(相葉弘樹さん)の女装白無垢姿でお楽しみください、という趣向。

毎回結構、興がって視聴できているにもかかわらず、前にも書いた通りキャラの立て方絡め方が“理にはしる”傾向のある作風のせいか、いつもダメ出しみたいな書き方になってしまうのですが、今話つくづく思ったのはピンク、薄いよ薄い

『ボウケンジャー』以来久しぶりに、スタメンから正義側のヒロイン2人体制の戦隊なのに、あまり2人いる”ことでの美味しさが感じられません。

イエロー・ことは(森田涼花さん)が“見た目はおっとり天然ボケ、でも人一倍頑張り屋さん”“メンバー中最年少でウブなカントリーガール”と、戦士としても素顔ヒロインとしてもかなり鮮明な彩色をほどこされていて、演じる森田さんの持ち味となじんでいい感じになってきているのに、茉子はいまのところ“子供好きで結婚願望だけど料理の腕はワイルド”“弱りメンずうぉーかー”ぐらいしかツマミが見当たらない。子供とからんだナミアヤシの件でも、彼女の子供好き設定が鍵を握るお話にはならなかった。

単純にことは妹に対する“姉キャラ”と規定しても、“妹は努力家だけど姉は享楽的”“妹は口下手だけど姉はクチ八丁手八丁”などいくらでも肉付けのしようがあると思うけどな。『マジレンジャー』の芳香姉と麗姉っぽくなっちゃうか。あちらは主役の末弟から見て両方姉でしたしね。

「薄い」と言うより「テンションが低い」と言ったほうがいいかもしれません。アバンタイトル、教会でのおとり結婚式作戦が失敗した後、花嫁連続拉致事件が警戒され結婚式軒並みキャンセルで残るは一件、一件ならばおとりも簡単…となったとき「じゃ、もう一度お嫁に行きますか!」、ことは「茉子ちゃん、今度はワタシが(おとりに)行こうか?」との提案に「ことはじゃ若過ぎる」、なんだ、茉子、さては花嫁衣装着たいだけじゃね?と思わせる脳天気な心浮き浮きぶりとか、すべてが片づいたあと、そう言えば結婚前に花嫁衣装着ると婚期が遅れるんだったアチャー!と、いまさら過ぎなくらいいまさら思い出して本気で落ち込む落差とか、もっとガンガン“タテの変化”出していったほうがいいと思うんですけどね。せっかくことはが“じれったいくらいおっとり”で立つのに成功しているんだから、茉子はもっともっとジタバタ仰々しくてもいいんじゃないかな。どんなもんでしょう。

ことはに促されるまでもなく「アタシの花嫁姿ですごーくうまくいっちゃった、どんなもんよホクホク」とケーキ食べ出してから、やおら「そー言えばッ!!」と思い出す、ぐらいのお間抜けタイムラグあってもよかった。この辺、演出も茉子をウケさせる、愛されキャラにするためにひと工夫、ふた工夫してあげないと。

あと、今作を理屈っぽく感じさせる原因のひとつと思われ、ぜひ自重したほうがいいと思うのは、コンプレックスやトラウマといった“触れてほしくない事柄・経験”を人物作りの芯にしないこと。正(プラス)と負(マイナス)とあったら、芯は正で作らないと話が暗く、人物が矮小になり、観る者の心を寒くします。正の芯を持つ人物・事象の、負の部分を敢えて選り好んで描くからこそ、作り話は面白くなるのであって。

茉子のいまいち精彩なさに比べて、流さまは劇中、観てるだけで気持ちいいくらい愛されてるね。元・歌舞伎役者の設定ですから早晩、戦隊お約束の女装エピソードではフィーチャーされるだろうと思っていましたがこんなに早く来るとは。薄化粧に紅さした白無垢姿での登場場面はわずかでしたが、大団円後千明(鈴木勝吾さん)に「さっすが歌舞伎役者、本当にオンナに見えたぜ」とからかわれリスペクトされて「まだまだだ、女形は苦手だったからなー、全然納得が行かん」と手拭を持ってシナってみる仕草だけで、月河はご飯一膳余分に食えた(爆)。スキルアップする意欲満々。“次”も期待していいわけだ。

結局失敗に終わったアバンの教会ダミー挙式シーンでも、茉子と丈瑠(松坂桃李さん)のおとり新郎新婦姿を前に礼拝席で「こっ、この神聖な雰囲気…」と涙ぐんで千明にあきれられてるし。一応第4幕で、思い込みとは言え茉子にハグされ、一夜ベッドならぬ毛布を共にしたんだから、ジェラシーと殿への忠誠心の板挟みのひとつもなれよ!と思ったら、コイツ単純にその場その場の空気に盛り上がって流れ流れちゃうタイプなのな。「役者だけに共感性が高い」と言っておいてやろうか。

森田さんのことは同様、流ノ介は演じる相葉さんの、現場での内面のテンションアップととてもいいシンクロしてきて、化学変化を起こしつつあると思います。俳優としてのキャリアがメンバー中一番だし(丈瑠役の松坂さんはオーディションで相葉さんと一緒になったとき「あの有名な相葉弘樹がいる」と思ったそうです)、年齢も、僅かの差だけど最年長(相葉さん8710月生まれ、松坂さん8810月、高梨さん同年12月生まれ)だし、いい意味で“ブイブイ言わせてる”感が、役と芝居に滲み出ている。

そんなこんなで先日、どこかにあるはずだと思ってシンケンに本棚捜したら出てきましたよ、いまはなき朝日ソノラマ発行のソノラマMOOK2005820日発行『HERO vision』(略称ヒロビ)vol.19

同年2月に放送終了した『デカレンジャー』メンバーの表紙に惹かれて血迷って買った記憶がありますが、後半のカラーグラフページ、エイベックス・エンタテインメント〈club 7〉の一員として、当時17歳、ミュージカル『テニスの王子様』デビュー早々の相葉弘樹さん、いましたよ。同じエイベの先輩、ギャレン天野浩成さん・マジイエロー松本寛也さん・デカブレイク吉田友一さんと4ショットなので末の弟格ですね。

わはは、顔がまだ“お子ちゃまの肉付き”な上、眉が超上がり眉、鼻筋付け根に深く切り込んだ極細眉なので、“コワかわいいヤンキーのパシリにいちゃん”風ですぞ。千明が見たらツッコみまくられるだろうな。さすがジュノンスーパーボーイ審査員特別賞、いまの流さまの片鱗はありますけどね。やはり右上顎の八重歯を直したのが大きかったかな。

……まぁ御用とお急ぎでない向きは、新古書店とかネットショップで探してみるのも一興。

相葉さんと言えばソロ写真集もリリースしているんですよね。ヒーロー俳優くんの写真集は天野浩成さん以来だな(買う気満々かい)。

コメント
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