先週は『スタジオパーク』と『あさイチ』で2度ほど高良健吾さんを見ました。高良さんの前日の『スタパ』には井上真央さんが出ていたし、すでに先月クランクアップが報じられた『おひさま』勢は、残る3週の盛り上げプロモへ全開の模様です。
俳優としての高良さんを見たのは『おひ』以前はBSで観た劇場版『ハゲタカ』だけでしたが、スタジオトークだとまずその圧倒的な透明感が驚異です。身長公称176㌢だそうだから同年代俳優さんの中では目立って長身なわけでもないのですが、超小顔なため実際以上に縦長に見える。で、ちょっと吊り目の爬虫類顔でてろっとした感じ、戦中戦後の“理想の育メンダンナ”がこんなにしっくり演れるようなタイプの若手くんとは思っていなかったもので。役者・演技者としてあまりにも“染まっていない”ので、監督さんやプロデューサーさん、ホン書きさんなどにとっては如何ようにも“染め甲斐”のある、無限のインスピレーションを掻き立てられる素材でしょうが、『おひ』以降の航路を見守るのが怖い気も。水晶かガラスか、はたまた金剛石か。
実年齢こそ同じながらめちゃめちゃ演技キャリア差のある井上真央さんとのコンビで、寛大で頼れる夫役をつとめてきたわけで、収録日数や時間以上に精神的に大変だったのではないでしょうか。クランクアップのシーンでは現場のイジられ担当炸裂してましたな。
他番組スタジオに出ばってのトークでも、“自陣”のおひセットでインタヴュー受けても、芸歴相応に落ち着きまくっていて絶対舞い上がらないグラつかない井上さんとではなく、もう少し荒削りで危なっかしい新人さんヒロインと組んだら、高良さんも別の面が出たかもしれない。まぁ、そこらへんは結果論で、選ばれて演じた高良さんに落ち度は無いと思う。最終話まではまだもうひと山ふた山ありそうなインタヴュー内容でしたが、もうそれはいいや。お疲れさまでした。
熊本県熊本市出身で、地元の情報誌のファッションページモデルから注目され上京して俳優業へ、というルートは『仮面ライダー剣(ブレイド)』の竹財輝之助さんを思い出します。行ったことはないけれど、熊本って、肥後もっこすのイメージとは真逆に、スレンダーなおしゃれ系くんが意外と多かったりするのかしら。竹財さんは2年前の大河『天地人』の有栖川宮役で1話だけ出演されていましたが、高良さんも一度は大河で髷、ズラ、いってみてほしいですね。町人より若武者、若殿向きか。忍者とか刺客・悪漢サイドを演るにはもう少し動きにスピード感や殺気がほしい。
振り返れば、最近のNHK朝ドラで、ヒロインと恋愛要素ありの相手役を演じた若手男優さんで、朝ドラ卒業後、朝ドラ時以上の輝きを見せてくれた人ってあまり思い出せないのですよね。
…って08年上期の『瞳』からしかまともに視聴していないけれど。そこを無理やり思い出そうとしても、渡辺謙さんと内野聖陽さんと、あとは、朝ドラと縁が切れてからが本領発揮に決まってるだろうという伝統芸能後継者・野村萬斎さんぐらいまで遡ってしまう。藤木直人さんも入れるべきか、入れざるべきか。迷っちゃ失礼か。
『おひ』ドラマ本編のほうは、安曇野でめでたい丸山家再出発開店のはずがすでに歴然と消化試合化。桐野のお祖母さまが命名してくれた店名“百白花”ってのも字ヅラは美しいけれど、「ひゃくびゃっか」って3回続けて言ったら間違いなく噛みますぞ。