日頃、芸能人の熱愛結婚離婚報道の類いには概ね低体温な高齢家族も、『はみだし刑事情熱系』や『相棒season 2』の北海道2エピなどで、“卓球(福原)愛ちゃんを少ーし美人にしたような”と、両者から猛抗議が来そうなキーワードで、数少ない顔と名が一致する若手女優となっている前田愛さんの結婚間近か?報道には軽く色めき立ったようです。
何がびっくりしたって、年齢“(25)”にぶったまげたらしい。「もうそんなになるのか」と。
お相手の名前“中村勘”太郎さんの字並びで、「勘九郎(すでに勘三郎さんですね)のせがれか、じゃ、酔っ払ってタクシー運転手ぶん殴ったヤツか」…それは七之助さんで、兄か弟かどっちか(弟さんでした)ですよと、まずここで一コ、非高齢組を代表して脱輪修正。
どうもウチの高齢組の脳内では、歌舞伎役者と言えば、医師・代議士と並ぶ“日本3大オンナ癖悪い職業”のようで(そのくせ本物の歌舞伎は何十年も観たことがない)、“おメカケ・隠し子いっぱい”というイメージなよう。市川猿之助さんと浜木綿子さん(お二人の間に香川照之さんが産まれましたね)と藤間紫さん、坂東三津五郎(八十助改め)さんと寿ひずるさんと近藤サトさん、なかんずく「勘九郎(だから現・勘三郎さんですってば)に遊ばれたせいで宮沢りえちゃんが手首切って激痩せした」(←物証無いですけど)、「市川染五郎(いまは松本幸四郎さんですね)のせがれ(それがいま市川染五郎さんです)も結婚前に隠し子がバレたろう、バレたのにしれっと結婚する嫁も嫁だ」「市川海老蔵(いまは団十郎さんですって)のせがれ(だからそれがいま海老…)も女優だアイドルだと片っ端手をつけて、おかげでバチが親に当たって白血病だ(バチじゃないし、病気は寛解されて復帰されてます)」…
…歌舞伎界の登場人物は出世魚みたいに名前が交代、後継しているので、倍速でややこしいのですが、とにかく、いやー、高齢組がこんなに芸能ニュース通だったとは、初めて知った。
汲めども尽きぬ水のようにどんどんネタが出てくるではないか。すべて前田愛さんのおかげ。
この、現役世代の月河もびっくりな記憶力が、なぜ日常生活に活かされないのかと。
「あのコ(=前田さん)も、結婚した後にダンナのいろんなことがバレて、自分は子供ができたできない、できたら男の子かそうでないかで針のムシロになるに決まってる」
……結論としては「誰かいまのうちに止めてやれ」。
『非婚同盟』じゃないけれど、2009年の日本、“結婚”が“幾つもある人生の、選んでも選ばなくてもいい選択肢のひとつ”でない世界、“子供を作ること”も右に同じで、かつ“生まれるのが男子じゃないとダメダメ、ミソクソ”な世界…って、皇室と歌舞伎界だけじゃないでしょうかね。
前田愛さんもずいぶん息苦しい世界の住人を伴侶に選んじゃったなと思わないでもない。しかし、人間、“選択肢が多い”“自由に選べる”ことをより幸福なように思っている人が多いけれど、基本的に、人生って“自分の意志や希望でままならない”ものだと思うのです。気がついたら生まれているし、気がついたら親があり、家があり、家族がある。そこには自分の意志で選択できる余地はまったくない。
だからこそ、成長後、人生航路において選べる範囲はとことん、隅々まで自分の意志にこだわって選ぼうという考え方もあっていいと思いますが、時には“意志や志向を眠らせて、運命の流れに身を委ねてみる”のも自然の摂理にかなっていると思う。数ある男性の中から、7年がかりの交際でゴールイン間近という前田さん、流れ行く先が幸せ向きでありますように。
途中で「あ、コレ、違ったかな」と気づいても、自力でリセットするパワーを備えた“元・梨園夫人”女優先輩も大勢おられることですし。
本家(って)『非婚同盟』は、少女由起子(林愛夏さん)のナレ込みの“記号的こまっちゃくれ少女調”にまだ慣れません。由起子パパ・伊庭猪士郎(風間トオルさん)の「~合点がいったわ」という富豪大御所調語尾も、心地よい非日常感というより三文漫画チック。このチープさ、アナクロ感(自信を持って言えますが、1974年当時すでに、あんな金持ち家族のやりとりはマンガの中にしかなかった)も計算のうちだとしたら、黙ってそれこそ流れに乗っていればいいんですがね。
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