うちにある体温計を、マスクの買い置きと同じように今般、棚卸ししてみたら、ちゃんと実働しているモノだけで新旧6本ありました。
うち二本は昨日書いた、昔ながらのガラス製の、水銀柱が目盛りを上がっていくやつ。“J丹体温計”でおなじみでしたよね。月河が風邪や扁桃腺で熱を出しがちな子供だった昭和40~50年代は、家庭で体温計といえばどの家もコレでした。
子供心に、「なんで体温計のメーカーが“J丹”なんだろう?」と不思議に思ったこともありました。ツブツブでスーッとするアレ。夜、飲み会のあと、〆がラーメン、なんてオジさんたちは朝からコレが手放せなかったはずです。
「銀色つながり、かな」なんてね。
このJ丹体温計も、ロングセラーだったぶんアナログなりに何度かのヴァージョンアップはあった模様で、うちにある二本のうち一本はケースにストラップが付いていて、測定後水銀を下げるときストラップの両端を持ってクルクルッとねじるタイプ。
もう一本は少し後発で、棒の先端にケースの直径並みの輪っかがついていて、輪にとおして竹とんぼ飛ばすときみたいに両掌にはさんでクルクルするタイプ。
前者は一度ストラップが切れたと見え、高齢家族その2得意の糸針ワークで、シルクっぽい撚りヒモを通し直して結び目を作って、交換してあります。買ったときのストラップよりちょっと短くてクルクルがきつめになっていますが、ちゃんと測れるし下げられます。
後者の竹とんぼ方式のもちゃんと測れるのですが、月河の記憶ではあまり家族内で人気がなく稼働率が低かった。ストラップ式と違って、クルクルするツールが一体になっていないので、みんな、よく置き忘れるんですよね。測って、下げた後、あるいは下げる前、「あのクルクルするやつどこ行った?」と布団や枕を持ち上げたりベッドサイドの両下を探したりするはめになる。ストラップ式のと二本あったら、みんな前者のほうに手が伸びるようで。
まあ、ストラップ式も、ケース(透明です)を見失ったり、ケースのキャップ(小さいです)だけ落としたり、たまさかやりがちですけどね。
このタイプの欠点は、なにぶんガラスなので衝撃を与えると割れることがあることで、しかも中身は水銀ですから、人体に毒性があります。
市場から退いて行ったのはそれもあるのでしょうね。活発な小さいお子さんや要介護の患者さんには、破損のリスクは無いに越した事はない。試しに「体温計 水銀」で検索してみても、令和2年のいま、販売・購入可能なのはヤフオクだけでした。
でもこのタイプ、ちゃんとワキの正しい位置に挟んでじっとしていさえすれば、正確さの点ではデジタル体温計より信頼性が高いそうですよ。現役看護師だった知人が言っていたから間違いないです(と思います)。
ただ、医療期間では不特定多数の患者さんに、都度消毒しては何度も使うので、落としたり折ったりの不慮の事故を想定すると、測定時間が短くてすみ、なおかつ低リスクのデジタルに軍配が上がるとのこと。
そうそう、測定時間のこともありました。アナログの水銀体温計って、「結局いつまで挟んでいればいいのか」が、いまだにつかみどころがないんですよね。もう絶対熱ある!ガタガタ寒けするしアタマがんがんするし!と、顕著な自覚他覚症状があるときには、ワキに挟んで1分もしないで上がり切るような気がするけど、なんかだるい・・熱あるかも・・ないかも・・ぐらいのときに、“5分挟んで36-9℃”だったら、もっと挟んでればもっと行くような気がする。
デジタルのアラーム付き体温計は、この“結局いつまで”問題を解決してくれました。月河家に初めて来たのは、80年代に入ってからだったと思います。
(この項続く)
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