一度クチから出たものは引っ込めることはできません。鳩山由紀夫総理の、小沢一郎幹事長の政治資金問題について「党代表として幹事長を信じている」までは百歩譲って良しとしましょう。「どうぞ(検察と)存分に戦ってください」はまずいだろうに。小沢さんの金銭問題よりも、鳩山さんご自身のお母上からの“子ども手当”の一件よりも、はるかに民主党政権のイメージを悪くしたと思う。
いやしくも国権の最高機関たる国会で選出された、行政府の長である総理大臣が、外国じゃなく自国の司法府の検察を、“戦い”の相手として“敵視”するような語法を選択するっちゅうのは、よほどリテラシーが低いのか、いや理系と言えども東大卒の鳩山さんがそんなに直球のバカチンとは思えないので、やはり宇宙人なんでしょうな。ある意味で。一国の総理大臣という立場に、しっかり足腰が据わってなくて、どっか幽体離脱して成層圏の彼方から小沢さんもなんもかんも見下ろして「たたかってくださぁぁぁ~い(さぁいさぁいさぁい…)(←エコー)」と言ってるような感じがある。
大方の国民は、小沢さんの言わんこっちゃない金権体質以上に、鳩山さんのこういうふにゃらか体質にこそいちばんあきれたのではないでしょうか。
今回の小沢問題でいちばんの茶番は、「野党として徹底的に追及する、参考人招致する」か何か言ってる自民党が、いや、野党になったんだから当然言うでしょうし、言わなきゃしょうがないんでしょうけど、「政治とカネ」の話をし出したら、自分たちこそ“金権上等”の歴史をこってりまとって小沢さんを生んだ張本人集団だということ。小沢さんをなんぼ追及したって、ブーメラン投げて自分のとこに戻ってくるのを待ってるようなものです。「茶番とは」の教科書みたいな話。
あと、やりきれないのは逮捕された石川知裕議員の地元・北海道11区の選挙民でしょうね。ロレロレ会見の中川昭一さんに「いくら十勝が中川王国でも、かいていい恥と、かいちゃいけない恥がある」とNOを出したら、直後に後味悪く亡くなってしまったし、「若いし民主党だし、力のある小沢さんの子飼いなら地元の役に立ってくれそう」と選出した石川さんはと言えば、見事にこういうことになってしまった。
なんだか、2003年だかに、かつてのYKK(←なつかしい響き)のY・山崎拓さんが女性スキャンダルで落選、代わって民主党から選出された、何ちゃらいう元プロテニス選手が、今度は学歴詐称が露見して、「究明のためもう一度その(アメリカの)大学に行って卒業を証明する」とか息巻いて、結果ぜんぶ空振りで、赤っ恥の果てに辞職したというお粗末を思い出しました。あの時は補欠選挙が行なわれて、結局山崎さんが返り咲いたと記憶しますが、福岡2区の選挙民も憮然たる思いだったのではないでしょうか。地元選出の代議士が全国レベル、国際レベルで新聞ダネになるだけでもじゅうぶんこっ恥ずかしいのに、CHANGEを期待して選んだやつがまたまたダメだったっていうのは頭抱えます。
11区でもとりわけ石川議員の出身地・足寄(あしょろ)町は、かつてあの鈴木宗男議員をも輩出していますから、ここのところ新聞を見るたび「またウチんとこのセンセイかよ」と暗澹たる思いでしょうな。十勝地方は冬場はマイナス二ケタ気温の極寒かつカラッと晴れた晴天が続くのですが、足寄の上空はどよーん雲が立ちこめているかも。足寄に金権上等な人間を生みやすい土壌があるわけではない……と思いたいですが、なぜだ?なぜかさっきから松山千春さんのシルエットがちらちら脳裏をよぎるのは。
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