日々歯科診療を行っていて、ここ数年思っていることを今回は述べたいと思う。
よく自分の口の中がいかにきれいで、歯科治療をうけたことがないことを
アピールしている歯科医がいる。しかし私的には逆にいうと
患者が歯科治療を受けている時の感覚を分からないであろうと考える。
水や唾液がのどの奥にたまっているときの気持ち悪さや、口の中をいじられたり、
歯を削られている、補綴物を除去しているとき、麻酔されている時、麻酔がきれたとき、
抜歯されている最中などなどの感覚…、
私自身、結構治療を受けた既往がある分、はっきりいって結構嫌なものである。
特にハンドスケーラーでルートプレーニングされている音は、黒板にツメをたてて
キ~っというあの気持ち悪い音が口の中でして、痛みはなくとも全身が鳥肌になる…
治療だけでなく、虫歯の痛みはまだしも、急化Perの痛みは経験してみないと
あの激痛は理解できないであろう。
昔の私はそれこそ治療既往がなかったため、患者に対して感覚の配慮などを
深く考えずに治療を行っていたが、自分が治療を受けたときから
『患者はこんなことをされているのか』という驚きが大きかった。
それゆえ自分が経験して以降は、処置を行う時、こんな感じを体感するけど頑張ってね、
その痛みは辛いよね、などといった感覚の共有を意識するようになった。
ゆえ、言葉だけの気遣いだけでなく、手技における気遣いも意識するようになった。
歯並びが悪い歯科医が、患者に矯正治療をすすめたり
齲蝕歯や欠損を放置している歯科医が、歯の大切さや治療の重要性の話、
理想治療をすすめたりしても、なんか説得力に欠けるような気がしてならないが、
歯科治療を全く受けたことがない歯科医が患者の気持ちをどこまで理解できる処置ができるかも
気になるところである。
いづれにせよ、歯科治療全般を行う歯科医はやはり口腔内で行う処置の感覚というものは
実体験した方がよいと個人的には思う。
実体験することによって得られる感覚というものは、臨床手技に大きく関わると考える。
ちなみに私は昔根治した歯、最近同部歯肉によくフィステルができる。
仲田先生に見てもらわないとだめだし、他にもCR部の歯が2次カリエスになっているので
須崎先生のとこにも通院しなあかん… 忙しいのに困ったもんだ。。。
追伸:
ロシアとウクライナの軍事紛争…
世界平和云々の前に、地球温暖化問題で環境に気を使っているご時世に
大義名分掲げても、結果、大気や大地を汚している、、、
人類が自分達で環境汚染の傷口を広げている気がしてならない。
紛争好きな方々は前園氏みたいに宇宙空間から地球をみて、ちっぽけな存在である人間を肌で感じれば、
本当に大切にしなければならないことと、戦争がいかにばかげているかわかるであろう。。。