おかずブログ

ここでは主に撮影画像を発表します。
近場で撮影した植物などがメインとなります。

母逝きて

2012年03月24日 | 歌稿



今回出すのは問題がありすぎるのですが、一応出します。
個人的な、あまりにも個人的なことを出すのは問題です。

歌であるのかどうかわかりません。57577の歌の形を借りただけの話です。
時系列順に、できるだけ推敲しないで言葉を言葉としてのみ
使ってみました。幼稚と言えば幼稚、歌にはなっていないのですが、
初めの気持ちや事実を大切にしたくて、構想を練るという
ことはしませんでした。

母逝きて

01 主治医言う「危機は脱した、大丈夫」半疑持ちつつ明るさ灯り

02 呼びかけに弱く頷く人に言う「今年の桜も一緒に見ようよ」

03 微笑んだ如くに見えて花時の予定を思い添う部屋離れ

04 離れおり五日の内に病む人は幽冥隔つ我のいぬまに

05 故郷に走る車中で責めを負う慙愧激しく怒りに怒り

06 逢う人は棺の中に静まれる人の行くべき道ではあれど

07 頬に掌を当てて無言で見詰めれど返り来るべき瞳は開かず

08 横たわることは同じでありながら棺の中は悲しすぎるよ

09 末期なる水を含ませ許し乞う旅立ちの朝見送れなくと

10 顔もなく骨だけになり横たわる八十五年の人の世脱いで

11 人は逝き形見の品の熱き骨涙こらえてただ拾いおり

12 肺炎も憎きはあらず声がして呼ばれて向こうに歩み行きたり

13 納まれる八十五年の母の生壺をいだきて恩をしのんで

14 い寝おれば袖を引かれて目を覚ます枕のもとに二親揃い

15 逝くときは互い違いになりおれどまた二人して我が前に居て

16 夢の中二親共に聞きたまふいつまでそこにいるつもりかと

17 この世にて今少しのみ在りたしと夢とうつつのはざまで答え

18 この春も受かりし命永らえて亡き父母連れて花を見たしや

19 わが死もて我が喪はあくるその時に果たされるのかついの邂逅

20 行き来する輪廻の風は橋渡り迷いつつ往く我を包まむ

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