道を往く
行く年は逝く年なりと定めおり酔って醒めてのひととせなれど
還りなき道をたどりつ歩き来る酔いのまにまに六十路あまりを
飛ぶように晦日も過ぎて新玉の朝にも願う酔いの一世を
酔いて寝て他にありえぬ我がもとに光芒ひそけく枕頭照らす
弓張の月は妖しく空にあり酔いの眼のはし村雲かかる
月光の差し入るままに端座してたましひ一つを我が寄る辺とし
新しいこの年もまた桜花モミジの朱に酔って過ごさむ
さて巳年我が身一つをもてあまし蛇のごとくに這いずりまわれ
白き蛇見てはうつつの旅空に色とりどりの焔探さむ
雪は降りたわむれ遊ぶ幼き日夢にも知らず六十路の道は
なんと2か月ぶりに歌を出します。
精力的に詠まないのは本当に良くないことです。反省しきりです。